JR東日本は、既存の特急型車両「E657系」1編成を全席グリーン車個室タイプの座席に改造し、「新たな夜行特急列車」として2027年春に運行を開始します。
L字型ソファの最上位個室も
同社グループの経営ビジョンに掲げる「移動を楽しく、快適・便利に」を具現化するもので、「シンプルでありながら上質な移動空間」をコンセプトに、長時間の移動も楽しく快適に利用できる夜行列車を目指します。ベースとなるのは常磐線特急「ひたち」「ときわ」で運行しているE657系10両編成で、プライベートスペースを確保するため、全席を個室タイプのグリーン車指定席に改造します。編成全体の定員は現在の600人から120人へと大幅に減少します。
1号車・10号車の両先頭車は、広々としたL字型ソファを配し、靴を脱いでゆったり過ごせる1人用または2人用の最上位座席「プレミアムグリーン個室」です。通常の1人用・2人用グリーン個室には簡単な操作でフルフラットにできる座席が設置され、子ども連れの家族にも安心な常時フルフラットの4人用グリーン個室も選べます。5号車はグループ旅行の語らいの場として誰でもオープンに利用できるラウンジで、販売スペースも併設されます。
ブルートレインを彷彿とさせる外観色
外観は、かつてのブルートレインの記憶を受け継ぐ「メモリアルブルー」と、真夜中をイメージした「ミッドナイトホライズン」の2色の青が車両全体を包み込むデザインです。両先頭車に異なるカラーリングを施し、2色の青をつなぐ白いラインで夜明け前の一瞬の輝き「ブルーモーメント」を描き出しているとのことです。
外観・内装デザインは、グループの大規模開発や商業施設などの設計を主に行い、「SLばんえつ物語」などで車両デザインの実績もあるJR東日本建築設計が担当します。首都圏から北東北など、時期によってエリアを変更しながら運行することを予定しており、運転時刻や料金、列車名称などは今後改めて発表するとのことです。
