秩父鉄道「SL」運行37年で初めての区間延伸 夜の試運転で問題なし 8月に特別な「行田号」

秩父鉄道は、蒸気機関車(SL)けん引の観光列車「SLパレオエクスプレス」の運転区間を延伸し、2025年8月30日(土)に行田市駅始発で特別運行します。

埼玉県初の「日本遺産」行田市

1988年3月、埼玉県熊谷市で開催された「さいたま博覧会」に合わせ、旧国鉄で活躍し現役引退した「C58形363号機」を復活させて運行開始したのが秩父鉄道SL列車の始まりです。秩父地方に約2000万年前に生息していたとされる海獣パレオパラドキシアにちなみ、「パレオエクスプレス」の愛称で親しまれています。

埼玉県行田市には全国屈指の古墳集積地で県名の由来ともなった「埼玉(さきたま)古墳群」、関東七名城の一つ「忍(おし)城址」など多くの観光資源があります。日本有数の足袋の産地としても知られ、足袋蔵など歴史的建造物が多く残る景観が県内初の「日本遺産」に認定されています。通常のパレオエクスプレスは熊谷駅〜三峰口駅間の運転ですが、さらなる観光客誘致を図る行田市と連携し、運行開始37年で初となる行田市駅〜熊谷駅間の運転区間延伸を実現しました。

ひと足早く「SL試乗会」も

SLがこれまで走行したことのない区間を運転するため、営業運転に支障しない夜間に線路閉鎖の手続きを取って試運転を行い、問題なく延伸できる確認が取れたとのことです。8月30日(土)は「SL日本遺産のまち行田号」として、下り列車が初めて行田市駅始発(9:55発)で三峰口駅まで特別運行します(上りは三峰口駅発・熊谷駅行)。行田市駅では出発式、下り列車車内では行田市の観光PRや物産品販売のイベントが予定されています。

特別運行SLの購入・乗車方法や料金は通常時とは異なり、詳細は7月中旬に公式サイトなどで告知するとのことです。また、中学生以下の子どもを含む行田市在住者を対象にした試乗会も予定されており、抽選により決定する招待者を乗せたSLがひと足早く7月22日(火)に行田市駅〜熊谷駅間を往復運行します。

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