JR九州は、2021年1月2日(土)始発から折尾駅の新駅舎の使用を開始することに合わせて、2021年1月1日(金・祝)夜に一部列車を運休し、線路切換工事を実施します。
新しい折尾駅の駅舎は現在の北口の後方、鹿児島本線と筑豊本線に挟まれた場所に完成します。新駅舎は1916年(大正5年)に建設された旧折尾駅舎の外観を可能な限り再現したものになるとのことです。「みどりの窓口」を含むきっぷうりばと改札口は新駅舎に集約されるため、3か所(北口・東口・西口)に分散されていた出入口は閉鎖されます。これに伴い、駅改札口までの歩行ルートが大きく変更となります。
従来の長くて複雑だった改札内通路は新しく置き換わり、鹿児島本線と「福北ゆたか線」および「若松線」との乗り換え距離が短縮されます。鹿児島本線の新ホーム(4・5番のりば)が使用開始され、すべてのホームがエレベーター、エスカレーター完備となります。これまで北口改札内にあったコンビニ「ファミリーマート」は、新駅舎の改札外に移設されます(1月4日(月)オープン)。また、1月11日(月)には「かしわうどん」で有名な立ち食いうどん店「東筑軒」が新駅舎改札内にオープンします。
なお、黒崎方面と直方方面を結ぶ「短絡線」のホーム(A・Bのりば)と「鷹見口」については現状のままとなります。
新駅舎開業に合わせ、改札内通路の切替工事ならびに、折尾駅を含む陣原駅〜遠賀川間で大規模な線路切換工事が行われます。これに伴い、2021年1月1日(金・祝)23:30頃〜終電まで、鹿児島本線では上下計7本の普通列車が一部区間運休に、上りの特急「きらめき18・20・22号」は全区間が運休となります。上下計4本の臨時列車の運転も行われます。運休に伴う代行バス等は実施されないので注意が必要です。
1891年(明治24年)に開業し、かつては石炭輸送の重要拠点であった折尾駅は、鹿児島本線と筑豊本線が直交する日本初の「立体交差の駅」としても知られていました。のちに「短絡線」にもホームが作られ、約150m離れた本駅からは改札外乗り換えを要する点も全国的に見て珍しいケースです。
しかし、駅構内が複雑でバリアフリーに対応できず、さらに地平線路や踏切により街が分断されているといった問題を解消するため、北九州市主体の「折尾地区総合整備事業」による大規模な工事が進行中です。2019年3月16日には筑豊本線が高架化されて新ホーム(6・7番のりば)に移動し、鹿児島本線との立体交差が解消しました。
今後も関係工事が引き続き行われます。2021年度中に「短絡線」も移設されてすべてのホームが高架となり、踏切がなくなります。また、2022年度には北口駅前広場、2024年度には南口駅前広場が完成し、新しく使いやすい折尾駅に生まれ変わる予定です。