箱根登山電車の「モハ2形109号」が3月21日引退 旧型車両は残りわずかに

箱根登山電車の箱根湯本駅〜強羅駅間で運行されている数少ない旧型車両の一つ「モハ2形109号」が、2021年3月21日(日)をもって引退します。

モハ1形と連結し3両編成で運転している緑色の復刻塗装をまとったモハ2形109号電車
モハ1形と連結し3両編成で運転している緑色の復刻塗装をまとったモハ2形109号電車

1927年(昭和2年)に製造された木造車両チキ2形の走行系機器と、新しくつくられた鋼製の車体を組み合わせて1955年(昭和30年)に登場したのがモハ2形109号車両です。バーミリオンオレンジとグレーのツートンカラーに白帯をまとった、かつての「小田急ロマンスカーSE車」と同じ塗装で長く親しまれていました。箱根湯本駅〜強羅駅間の開業100周年イヤーである2019年には、1935年〜49年頃の復刻塗装である緑一色に塗り替えられ、現在も活躍しています。

引退は箱根登山鉄道が発表しました。2月13日(土)から3月21日(日)までの期間は、前面にラストランを記念したデザインの方向版が掲出されます。また、2月20日(土)からは、109号の車内で写真展示が行われます。箱根登山鉄道によると、引退イベントの実施については新型コロナウイルス感染症の拡大が続いている状況のため、いまのところ未定としています。実施する際には後日あらためて発表するとのことです。

109号の引退後に箱根登山鉄道で残存する旧型車両は、「モハ2形108号」(1956年製)および「モハ1形(104号と106号の連結)」(1950年製)の2編成のみとなります。