ソウル地下鉄2年ぶり深夜1時までの運行再開 韓国コロナ規制解除 日常戻り深夜移動急増

韓国で新型コロナウイルス感染症の拡大防止措置が解除されたことを受け、ソウルメトロや韓国鉄道公社(KORAIL)などは、地下鉄を含むソウル首都圏の鉄道路線で深夜運行を順次再開します。

ソウル地下鉄2号線では2年ぶりに深夜運行が再開(画像提供: ソウル特別市)
ソウル地下鉄2号線では2年ぶりに深夜運行が再開(画像提供: ソウル特別市)

生活規制は4月で全面解除

感染拡大に伴い政府が発令した「社会的距離確保」の措置により、韓国内では飲食店等の営業時間や行事・集会などが詳細に規制され、市民生活が制限された状態が続いていました。オミクロン株の拡散傾向2022年3月中旬をピークに減少に転じており、重傷者と死亡者数、病床使用率も以前に比べて減っていることを理由に、2022年4月18日(月)をもって2年1か月ぶりに措置が全面解除されました。屋内でのマスク着用義務については当面は維持されますが、各個人が基本的な感染予防策を続けながら日常生活を回復していく段階へと移行しています。

ソウル首都圏の鉄道路線の終電時刻は、感染拡大防止のため24時までに短縮されていました。措置の解除後は移動の機会が多い春季ということもあり、深夜の移動需要が急増したとのことです。ソウル特別市は深夜バス路線の拡大、深夜専用タクシーの供給拡大などの対策に続き、電車の深夜運行を2年ぶりに再開するよう手続きを進めています(各路線の深夜運行再開日は下の図表を参照)。

【図表で解説】ソウルメトロ・韓国鉄道公社など 首都圏電鉄の深夜運行を再開

8月までに全路線で深夜運行再開

5月30日(月)からは先行して、民間事業者が運営する地下鉄9号線、牛耳新設線および、5月28日(土)に新規開業した新林線都市鉄道で延長が実施されました。続いて6月7日(火)からは、ソウルメトロが運営し、需要の高い市内中心部を走る地下鉄2号線および5〜8号線の深夜運行が再開しました。

一方、ソウルメトロとKORAILが共同で運営する路線では、KTXなど他の列車の運行を考慮する必要があることから、再開時期の調整が行われていました。協議がまとまり、7月1日(金)から地下鉄1号線およびKORAIL単独運営の4路線(水仁・盆唐線、京義・中央線、京春線、西海線)で、8月1日(月)からは残る地下鉄3・4号線で延長を開始することが決まりました。

これらの路線では土日祝日を除く平日ダイヤにおいて、終着駅基準で午前1時まで運行が延長されます。ソウル特別市によると、深夜に全体で161本の列車が増便されることで最大24万人の乗客輸送に対応でき、市民の移動における不便が大幅に解消するとしています。