引退迫る「ノースレインボーエクスプレス」 秋のメモリアル運転 一般発売はこれが最後

JR北海道は、2023年春をもって運行を終了する「ノースレインボーエクスプレス」車両を使用し、観光列車としてのメモリアル運転を2022年11月に実施します。

特急「ニセコ」などで運行するJR北海道キハ183系気動車「ノースレインボーエクスプレス」(中村 昌寛/写真AC)
特急「ニセコ」などで運行するJR北海道キハ183系気動車「ノースレインボーエクスプレス」(中村 昌寛/写真AC)

特急「ニセコ」など北海道4方面へ

ノースレインボーエクスプレスは、特急型気動車キハ183系のリゾート仕様編成として1992年に新造され、季節ごとに道内各地へさまざまな臨時列車として活躍しました。客室は床が高いハイデッカー構造で、大きな連続窓と天窓から北海道の雄大な自然を望める開放感が最大の特徴です。5両編成のうち1両は2階建て車両で、1階部にはラウンジと売店が設けられています。

定期特急列車に運用されている一般仕様のキハ183系と同様に運行終了が近づいており、「いまこそ輝け! 北のキハ183系」キャンペーン第3弾として、ノースレインボーエクスプレス編成のメモリアル運転が行われます。2022年11月3日(木・祝)から計7日間で10本、かつて同編成で運転された懐かしの列車名により秋の北海道各地へ出発します。

11月3日(木・祝)は札幌駅〜函館駅間を室蘭本線経由で特急「はこだてエクスプレス」として1往復します。往路の函館駅行は渡島砂原駅経由、復路の札幌駅行は駒ケ岳駅経由と、往復で異なる経路を運転するのが特筆べき点です。

続く11月12日(土)・13日(日)は札幌駅〜稚内駅間の特急「まんぷくサロベツ」として宗谷本線へ、19日(土)・20日(日)は札幌駅〜網走駅間の特急「流氷特急オホーツクの風」として石北本線へ向かいます。両列車は土曜が往路、日曜が復路と、2日間で1往復する行程です。また、11月26日(土)・27日(日)には各日1往復、札幌駅〜函館駅間を函館本線「山線」経由で運行する特急「ニセコ」が復活します(各列車の時刻表など詳細は下の図表を参照)。

【時刻表で解説】JR北海道 キハ183系「ノースレインボーエクスプレス」のメモリアル運転

ラストランは団体貸切列車

いずれの臨時列車も、指定席は全国の主なJR駅のほか、JR東日本インターネット予約サービス「えきねっと」で出発日1か月前10:00から発売されます。一般発売のほか、主要旅行会社では各列車の乗車を組み込んだツアーを企画しています。なお、一般発売を行う観光列車としてのノースレインボーエクスプレスの運転は、今回が最後となります。車両のラストランとしては、旅行会社専用の団体貸切列車として2023年4月に運行を行うことが別途、計画されています。

今回のメモリアル運転では、運転日と行先ごとに異なる10種類の「乗車証明書」が用意されます。2019年2月まで特急列車に乗務していた客室乗務員の制服を着用したスタッフにより、着席している乗客全員にプレゼントされます。また、地域の方々による特産品販売なども予定していることです。

また、道内10駅(網走駅、北見駅、遠軽駅、上川駅、旭川駅、札幌駅、函館駅、釧路駅、帯広駅、稚内駅)で発売中の「いまこそ輝け! 北のキハ183系 記念入場券」は、今回の運転に合わせて11月3日(木・祝)からメモリアルバージョンとなります。10駅分の裏面を連結すると、一つの行先方向幕としてつながるデザインが施されています。また、「石北本線ゆかりの5駅」の記念入場券を購入した方へプレゼントされる「5駅達成特別カード」についても、ノースレインボーエクスプレスをデザインした新バージョンとなります。