JR九州は肥薩線沿線の応援企画として、「SL人吉」を鹿児島本線の熊本駅〜鳥栖駅間に走らせます。
肥薩線は2020年7月に降り続いた豪雨(令和2年7月豪雨)の影響により、橋梁の流出をはじめ複数の鉄道施設が損傷し、現在も八代駅〜吉松駅間が不通となっています。また、沿線地域も球磨川水系の氾濫・決壊により、市街地を含む多くの家屋や施設が浸水するなどの甚大な被害を受けました。
今回は肥薩線沿線を応援する企画の第2弾として、蒸気機関車けん引による観光列車「SL人吉」が特別に鹿児島本線の熊本駅〜鳥栖駅間で1日1往復運転されます。「SL人吉」は肥薩線の不通区間を含む熊本駅〜人吉駅間で運転していた、JR九州屈指の人気列車です。黒い煙を上げながら力強く走るSL58654号機の魅力に加え、木がふんだんに使われたクラシカルな内装の客車の居心地の良さも評価されています。
熊本駅10:50発の上り鳥栖駅行列車はSLを先頭に運転します。鳥栖駅15:27発の下り熊本駅行列車はDL(ディーゼル機関車)がけん引し、SLは最後部に連結しての運転となります。上下とも途中、玉名駅・大牟田駅・久留米駅に停車します(時刻表は下表を参照)。
運転日は5月1日(土)〜6月27日(日)の土・日・祝日です(運転日カレンダーは下表を参照)。7月以降については、あらためて告知するとのことです。全車指定席の快速列車として運転され、乗車券のほかに座席指定券(大人1,680円、子ども840円)が必要です。なお、今回の運行から座席指定券の価格が改定されます(従来は大人840円、子ども420円)。
なお、最初の肥薩線沿線応援企画として、観光列車「かわせみ やませみ」「いさぶろう・しんぺい」を併結した列車が鹿児島本線の博多駅〜門司港駅間で特別運行されています。当初は2020年8月〜11月の期間限定での運転となっていましたが、好評につき運転期間が延長され、2021年6月までの土休日の運転が決定しています。
また、「SL人吉」編成は、テレビアニメとのコラボレーション企画により「SL鬼滅の刃」となり、2020年11月〜12月に鹿児島本線の熊本駅から博多駅まで運転されていました。