さよなら「アズナス」 全店舗「ローソン」に転換 阪急・阪神のコンビニブランド消滅へ

阪急電鉄・阪神電気鉄道の駅ナカなどに店舗展開しているコンビニエンスストア「asnas(アズナス)」は、全店舗「ローソン」に転換されます。
(2021年6月30日)図表を一部訂正しました。

阪急大阪梅田駅に隣接する大阪新阪急ホテル1階にあった「asnas(アズナス)」店舗(現在は閉店)(Katsumi/TOKYO STUDIO)
阪急大阪梅田駅に隣接する大阪新阪急ホテル1階にあった「asnas(アズナス)」店舗(現在は閉店)(Katsumi/TOKYO STUDIO)

エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O、大阪市)は2021年5月7日(金)、ローソン(東京都品川区)との間で包括業務提携契約を結びました。関西を中心に百貨店やスーパーマーケットなどを展開するH2Oは、コロナ禍を契機とするビジネスモデルの転換により、地元関西でのシェア拡大に注力します。関西発祥で全国に1万5000店のコンビニ店舗網を展開しているローソンと提携し、店舗開発や商品・物流・マーケティング分野などで幅広く協業することにより、エリア顧客とのコミュニケーション機会を増やし、サービス力の向上を目指すとしています。

この中で両社は、H2O子会社のアズナス(大阪市)が運営するコンビニ・駅売店について、ローソンのフランチャイズ化を順次進めることで合意しました。アズナスは、阪急、阪神および北大阪急行電鉄の主要駅にコンビニ「asnas」、小型コンビニ「asnas exp(アズナスエクスプレス)」、駅売店スタイルの「asnas exp-b(アズナスエクスプレスビー)」を展開しています。第1号店は7月26日(月)のオープンが予定されており、2021年度中に全98店舗が転換される予定です。

アズナスは、駅ナカや駅チカに店舗展開してきた同社の強みを活かしながら、ローソンチェーンならではの商品・サービスを提供することでより一層の利便性向上を目指すとしています。

【図表で解説】鉄道事業者 駅売店・コンビニのフランチャイズ転換進む

鉄道事業者が独自に展開してきた駅売店やコンビニエンスストアは、大手コンビニチェーンの看板に掛け替える動きが全国で進行しています(上表を参照)。2021年4月には、京王電鉄の駅ナカで「A Lot」「K-SHOP」を展開している京王ストアがセブン-イレブン・ジャパン(東京都千代田区)とフランチャイズ契約を結び、2023年頃までに順次「セブン-イレブン」に転換することを発表しました。

一方、京阪電気鉄道と南海電気鉄道の各沿線では、共同ブランド「アンスリー」によるコンビニ・駅売店が展開されています(運営は京阪ザ・ストアおよび南海商事グループ)。関西エリアの鉄道コンビニで独自ブランドを守っているのは「アンスリー」を残すのみとなりましたが、かつてはここに阪神も参加していました。阪急・阪神の経営統合を機に、阪神沿線で営業していたアンスリーはすべてアズナスに転換された経緯があります。