団体専用列車「楽」 奈良線終夜運転に追加投入 史上初の快速急行として2往復 申込不要

近畿日本鉄道(近鉄)は、2021年度大晦日の終夜運転中、団体専用列車「楽」を臨時快速急行として奈良線で運転します。

リニューアルされた近鉄の団体専用列車「楽」20000系電車(ポニー/写真AC)
リニューアルされた近鉄の団体専用列車「楽」20000系電車(ポニー/写真AC)

1990年(平成2年)にデビューし、通常は修学旅行やイベント列車などで貸切運用される20000系「楽」が初めて快速急行として運転します。2021年12月31日(金)大晦日深夜から2022年1月1日(土・祝)元日にかけて大阪難波駅〜近鉄奈良駅間を2往復します。運転時刻は大阪難波駅0:02発・2:17発、近鉄奈良駅0:58発・3:20発と発表されています(運転時刻は下表を参照)。事前の申し込みや特別料金は不要で、大変珍しい乗車チャンスとなりそうです。

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近鉄は、沿線にある神社仏閣へ初詣に出かける際の乗車機会を増やす取り組みを行っており、「楽」による臨時列車を終夜運転に追加することによりさらなる輸送サービスの向上を図ります。なお、新型コロナウイルス感染状況等により、臨時列車の運転を取り止める場合があるとしています。

【時刻表で解説】近鉄 大阪難波〜近鉄奈良間の大晦日終夜運転 臨時快速急行「楽」を追加

「楽」は運転開始から30年となる2020年にリニューアルが実施されました。これまでレモンイエローとパールホワイトをまとっていた外観は、日本で古来から用いられている漆の色をモチーフとした「漆メタリック」に一新されました。さらに、「地のにぎわい」をテーマに大阪・奈良・京都・伊勢志摩・名古屋の沿線5地域の魅力が日本の伝統色と和柄で表現され、アクセントとして加えられています。

4両編成のうち両先頭車両は2階建てで、運転席後部には見晴らしのいいパノラマビューを楽しめるフリースペース「楽 VISTAスポット」、階下室には靴を脱いで過ごせる天然木フローリングのフリースペースが新たに設けられました。中間車両はハイデッカー構造となっており、高い位置からワイドな展望が楽しめます。シートには5種類の華やかな色柄が配され、両先頭車両のサロン席と中間車両の座席には天然木の大型テーブルが設置されています。無料Wi-Fiやコンセントの設備も追加されました。