富士急行は、伊豆箱根鉄道から譲渡を受けた「十国峠ケーブルカー」「十国峠レストハウス」(静岡県函南町)が2022年2月1日(火)付でグループ入りしたと発表しました。
十国峠ケーブルカーは、駿豆鉄道(現在の伊豆箱根鉄道)が1956年(昭和31年)に開業した全長316mの交走式ケーブルカーです。周囲にさえぎるものがない十国峠の山頂からは富士山や南アルプス、駿河湾はもとより、房総半島から三浦半島まで、視界360度の絶景を楽しむことができます。春の新緑、秋の紅葉など季節ごとに表情を変える山頂からの景色は、国の文化財の登録記念物にも認定されています。
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ちなみに十国峠の名前は、かつての十の国(伊豆・駿河・遠江・甲斐・信濃・相模・武蔵・上総・下総・安房)を見渡せたことに由来しているそうです(周辺地図は下図を参照)。
富士急グループとして再出発するのは十国峠ケーブルカーのほか、山麓でお土産店やそば処を営む十国峠レストハウス、山頂にある「天空のドッグラン」などの施設です。新体制準備のため2022年2月1日(火)から臨時休業しており、富士急行が新たに設立した運営会社の十国峠(静岡県函南町)による営業が2月10日(木)から開始します。
富士急行は、春休み・ゴールデンウィーク・夏休みに向けて家族で楽しめるイベントを計画していくとしています。また、富士急グループのアウトドアブランド「PICA(ピカ)」による本格的なアウトドアコンテンツの展開など、新たに生まれ変わる十国峠で楽しみ方の幅を広げていきたいと話しています。
伊豆箱根鉄道グループは、主力の鉄道・バスを除く関連事業の整理を進めています。「浜名湖遊覧船」を2009年(平成21年)に地元企業のサゴーエンタプライズ(静岡県浜松市)に譲渡したほか、「箱根駒ヶ岳ロープウェー」は2016年(平成28年)に同じ西武グループのプリンスホテル(東京都豊島区)に譲渡しました。また、2014年(平成26年)には介護施設の運営事業に参入しましたが、こちらも2019年(令和元年)に他社への譲渡が完了しています。