最優秀車両ブルーリボン賞に京急「Le Ciel」 ローレル賞は京阪プレミアムカーなど3形式

鉄道友の会は、最も優秀な車両と認めた2022年「ブルーリボン賞」に、京浜急行電鉄(京急)の新造車両1000形「Le Ciel(ル・シエル)」を選びました。

京急1000形1890番台の側面にラッピングされた愛称「Le Ciel」(Katsumi/TOKYO STUDIO)
京急1000形1890番台の側面にラッピングされた愛称「Le Ciel」(Katsumi/TOKYO STUDIO)

2000形以来39年ぶり

鉄道車両の進歩発展に寄与することを目的に毎年1回設けている賞で、全国の会員による投票と選考委員会の審議により最優秀車両「ブルーリボン賞」および優秀車両「ローレル賞」が決まります。前の1年間に国内で営業運転を開始した新造または改造車両が対象で、今回は5つの候補車両からの選定となりました。

ブルーリボン賞の京急1000形1890番台は2021年5月に運行を開始し、一般公募により“空”を意味する「Le Ciel」の愛称が付けられています。座席指定列車や貸切イベント列車にも対応できるよう、ロングシートからクロスシートに自動回転できる「L/C腰掛」や車内トイレなど、京急で初めての設備がふんだんに採用されているのが特徴です。一方で、京急が積み重ねてきた安定した仕様も踏襲し、「チャレンジングな姿勢と堅実性を兼ねそなえたトータルバランスに優れた車両」と評されています(詳細は下図を参照)。

京急としては1983年の2000形車両以来、39年ぶり2回目のブルーリボン賞受賞となります。京急では今後、受賞を記念したツアーやイベントなどを企画していくとのことです。

【写真で解説】鉄道友の会 2022年ブルーリボン賞・ローレル賞を選定

ローレル賞には東京メトロと京阪電気鉄道の新造車両が選ばれました。東京メトロからは、共通仕様で設計された有楽町線・副都心線向け17000系と半蔵門線向け18000系が受賞しました。メンテナンスや取り扱いの共通化と、各路線の独自性が両立している点などが高く評価されました。

京阪から選ばれた3850形は、3000系の全編成に組み込むために新造された座席指定特別車両「プレミアムカー」です。先に登場した8000系プレミアムカーと比較して座席前後の間隔が拡大するなど、「風雅な趣のある車両としての完成度の高さ」が受賞のポイントとなりました。