小田急ロマンスカー 10月から特急料金22%値上げ 「チケットレス」なら一律50円引きに

小田急電鉄は、特急ロマンスカーに設定している特別急行料金を2022年10月1日(土)に改定するとともに、通常より安い「チケットレス特急料金」を新たに導入します。

小田急「特急ロマンスカーGSE」70000形電車(画像提供: 小田急電鉄)
小田急「特急ロマンスカーGSE」70000形電車(画像提供: 小田急電鉄)

27年ぶり値上げへ

「ハイグレードな特急専用車両による全席指定制の快適な移動サービス」を将来にわたり提供していくためと理由を説明しており、消費増税分の転嫁を除いて1995年以降据え置いてきた特急料金を見直します。特急ロマンスカーをめぐっては近年、新型車両の導入、東京メトロ千代田線への乗り入れ、オンライン予約システムの導入・更新などの積極策が展開されてきました。一方、新型コロナウイルス感染症による環境変化を受け、2020年度以降は車内販売の廃止や減便ダイヤにより効率化が図られてきましたが、今後のサービス維持のため特急料金の値上げに踏み切ります。

特急料金は乗車距離に応じて設定されていますが、料金区分がこれまでの7区分から4区分に簡素化されます。平均改定率は22.2%で、主な区間では新宿駅〜町田駅が420円から500円へと80円値上げ、新宿駅〜小田原駅間では910円から1,000円へと90円値上げされます(大人料金、以下同様)。本厚木駅以南と江ノ島線などでは一部区間に割安な「特定特急料金」が設定されていましたが、料金改定に合わせて廃止となります。また、特急券を持たずにロマンスカーに乗車した場合に車内で収受される「車内特急料金」の規定額も310円から350円に値上げされます(改定前後の特急料金比較など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】小田急 特急料金を改定 「チケットレス特急料金」導入

オンライン購入で値上げ幅緩和

今回の改定では、改定後の通常料金よりも全区間一律50円安い「チケットレス特急料金」が新たに設定されます。MaaS(Mobility as a Service)アプリ「EMot」のほか、「EMotオンラインチケット」「e-Romancecar」「ロマンスカー@クラブ」の各オンラインサービスで購入した電子特急券が対象で、これを利用した場合の平均改定率は12.6%へと緩和されます。新料金制度により非接触でスムーズに利用できる環境を整備していくほか、利用シーンに合わせたおトクなデジタル新商品の導入も検討していくとのことです。

新特急料金とオンライン特急料金は10月1日(土)以降の購入分から適用されます。10月1日(土)以降に乗車する場合でも、9月30日(金)までは旧料金での発売となります。そのほか、特急ロマンスカーに設けられている「車いす対応座席」を一部オンラインサービスで予約・購入できる取り扱いが10月1日(土)から開始します。また、オンラインサービスで購入した電子特急券を窓口・券売機で紙の特急券として発券する現行サービスについては、9月30日(金)をもって取り扱い終了となります。