宗谷線「花たび そうや」は“今年こそ、行けSOYA” 過去2年コロナですべて運休 JR北海道

JR北海道は宗谷本線の活性化のため、沿線地域の協力を得ながら企画した観光列車「花たび そうや」号を運転します。

改造され「山紫水明」シリーズ「紫水号」となったJR北海道キハ40形気動車(中村 昌寛/写真AC)
改造され「山紫水明」シリーズ「紫水号」となったJR北海道キハ40形気動車(中村 昌寛/写真AC)

日本最北の鉄道路線である宗谷線の全線、旭川駅〜稚内駅間259.4kmを約6時間かけて運転します。一部の区間では速度を落として走行し、沿線風景を車窓からじっくり眺めることができます。名寄駅ではオリジナル弁当「そうやの恵みもりだくさん」の予約販売も行われます。また、今シーズンは「深川林地」「下平トンネル」など宗谷線ならではの特徴ある鉄道土木施設に焦点が当てられ、車内から見られる実際の施設を紹介しながら走行する「宗谷線鉄道施設PRデー」の開催も予定されています。

運転日は2022年5月14日(土)〜6月5日(日)の土日曜、計8日間です。土曜は下り、日曜は上りのそれぞれ片方向のみの運転となります(運転日カレンダーと時刻表は下表を参照)。また、日帰りで利用する場合、261系5000番代「ラベンダー」編成で運転する特急列車と「花たび そうや」号を一日で両方楽しむことも可能です。

全車指定席の急行列車のため、乗車券のほかに急行券・座席指定券が必要です。列車は3両編成で、キハ40形気動車を改造して2019年にデビューした観光車両「山紫水明」シリーズ2両(「山明号」「紫水号」)に、同じくキハ40形「北海道の恵み」(「道北 流氷の恵み」)がフリースペース車両として増結されます。車両の前後に掲出されるオリジナルのヘッドマーク、側面の行先表示板も見ものです。

【時刻表で解説】JR北海道 臨時急行列車「花たび そうや」号運転

宗谷線沿線の魅力を活かした観光列車は、2019年7月〜9月に臨時の普通列車「風っこ そうや」号として初めて運転されました。JR東日本が所有する観光車両「びゅうコースター風っこ」をJR北海道が借り受け、本州から回送輸送して使用したことで話題になりました。

2020年はJR北海道オリジナルの「山紫水明」シリーズに使用車両を変更の上、急行列車「花たび そうや」号としての運転が計画されました。5月〜6月に計15日間運転されるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてすべての運転が中止となりました。翌年の2021年5月〜6月に計8日間運転される予定だった「花たび そうや」号も、やはり感染拡大の影響で一度も運転されずにシーズンが終了しました。

JR北海道は「今年こそ、行けSOYA」のキャッチコピーを掲げ、過去2年間運転できなかった「花たび そうや」号の実質的なデビューに期待を込めています。