京阪 バリアフリー料金でホームドア整備加速 京橋駅に続き枚方市駅でも 運賃+10円加算

京阪電気鉄道は、ホームドアなど各種バリアフリー設備の整備を加速するため、2023年4月1日(土)から「鉄道駅バリアフリー料金制度」の徴収を開始します。

京阪13000系電車(源五郎/写真AC)
京阪13000系電車(源五郎/写真AC)

ホームドア整備の遅れを挽回

利用者から広く薄い負担をしてもらうことでバリアフリー化を計画的に進める枠組みを定めた制度で、2021年12月に国が創設しました。京阪が2022年8月5日(金)に国土交通省近畿運輸局に提出した届出によると、京阪線全駅(大津線・鋼索線を除く)を対象とし、普通運賃に10円(大人)のバリアフリー料金が加算されます。通勤定期券にも現在の定期運賃の平均割引率に応じた料金額が設定されますが、通学定期券への加算は行われません。2025年度末まで3年間の徴収を予定しており、収受した年間約15億円の料金がバリアフリー設備の整備費等に充当されます。

すべての利用者の安全性を高める設備として、国はホームドア(可動式ホーム柵)の早期整備を求めていますが、京阪ではこれまで、他の形式と扉の枚数や位置が異なる5扉車両(5000系)が存在していたことにより整備が困難な状況でした。3扉車両への置き換え計画が一部前倒しで進められたことにより整備が可能な状況が整えられ、2022年1月から京橋駅の京都方面行きホームでホームドアの使用が開始しています。

2023年度は枚方市駅へのホームドア設置が予定されており、2025年度末までに計4駅8番線への整備を計画しているとのことです。なお、ホームドア整備に関連した車両更新として、2025年度末までに2編成12両を導入することが計画に示されています(バリアフリー料金額、京阪線路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】京阪 鉄道駅バリアフリー料金制度を活用 バリアフリー設備の整備を加速

相手を見ながら話せるインターホン

エレベーターや多機能トイレ等については、これまで国や地方自治体の協力を得ながら整備が進められ、すでに京阪線全60駅で段差解消を達成しています。今後は3駅6基の既存エレベーターの更新が行われるほか、駅放送システム更新による放送内容の充実、行先表示器の新設などで運行情報の提供強化が進められます。

また、京阪線全駅にテレビ電話機能付きインターホンを設置することにより、利用者と駅係員がお互いの表情や様子を確認しながら対話できるようにし、耳の不自由な方とは筆談でコミュニケーションを取れる環境を整備するとしています。