台風14号 九州の鉄道に爪あと 5路線で不通 「ゆふいんの森」全便運休 日南線は復旧未定

2022年9月18日(日)・19日(月・祝)に九州に上陸した台風14号の影響により、九州内の複数の路線で設備被害が発生しており、JR九州は復旧作業を急いでいます。

日南線の大隅夏井駅〜志布志駅間で発生した築堤崩壊の状況(画像提供: JR九州)
日南線の大隅夏井駅〜志布志駅間で発生した築堤崩壊の状況(画像提供: JR九州)

久大線は10月上旬再開見込み

台風14号は9月18日(日)19時頃、中心気圧935hPa(ヘクトパスカル)という非常に強い勢力で鹿児島市付近に上陸し、19日(月・祝)朝にかけて九州を縦断しました。各地で記録的な大雨や暴風となり、降り始めからの総雨量は九州の複数地点で500ミリを超えるなど、9月1か月の平年値の2倍前後の雨が観測されました。

JR九州は9月17日(土)午後から順次、計画運休を実施しましたが、線路の土台となる築堤の崩壊をはじめ、複数の路線において暴風雨による被害が発生しました。路線によっては復旧に時間を要するとしています。

久大本線では、野矢駅〜由布院駅間において道床流出、築堤崩壊などの線路災害が発生しており、その影響で豊後森駅〜由布院駅間が不通となっています。10月上旬の運転再開を目標に復旧工事が進められるとのことで、9月27日(火)からは同区間で朝および夕夜間を中心とした臨時ダイヤでのバス代行輸送が実施されます。また、特急「ゆふいんの森」は当分の間、全列車が運休となるほか、特急「ゆふ」については博多駅〜日田駅・豊後森駅間での折り返し運転となります(運転見合わせ区間の路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】JR九州 台風14号の影響により一部区間で運転見合わせ

指宿枕崎線は27日全線運転再開

指宿枕崎線では多数の箇所で倒木などの被害が発生しているため、指宿駅〜枕崎駅間の運転が見合わされています。この区間の復旧作業は進んでおり、安全の確認が取れたとして9月27日(火)始発列車から運転が再開されます。

肥薩線の吉松駅〜栗野駅間および、吉都線の西小林駅〜えびの飯野駅間では築堤崩壊が発生しています。このため、肥薩線は吉松駅〜隼人駅間、吉都線は都城駅〜吉松駅間で運転を見合わせており、9月26日(月)から朝夕の通勤・通学時間帯を中心に臨時ダイヤによる代行バスが運転されています。両区間とも10月上旬の運転再開を目指して復旧工事が行われています。

日南線の大隅夏井駅〜志布志駅間でも築堤崩壊が発生しており、南郷駅〜志布志駅間の列車の運転は当分の間、見合わせとなります。被災箇所では約15mの高さの崩落が確認されており、復旧には期間を要すると見込まれています。9月26日(月)からは油津駅・南郷駅〜志布志駅間でバスによる代行輸送が始まっています。