JR九州と長崎県は、西九州新幹線の利用や長崎県内の周遊を促進するための共同事業として、JR券に現地で使えるおトクなチケットを組み合わせた企画乗車券を発売します。
長崎・佐世保でまるで海外!? な体験を
キャッチコピーは「新幹線で世界へ!? NAGASAKI」で、古くから海外との交易により異国情緒あふれる長崎を表現しています。ハウステンボスの「オランダ」の街並み、新地中華街の「中国」の食、「西洋」を感じるグラバー園、「アメリカン」なグルメの佐世保バーガーなど、あたかも海外に行ったかのような非日常が長崎で体験できるということです。
共同事業により発売される特別企画きっぷは、九州の主な駅を発地としたJR券に、長崎県内の観光施設やグルメをおトクに楽しめる着地型商品を組み合わせたセット券です。現在発売されているのは「かもめで世界へ!? NAGASAKIきっぷ」「みどりで世界へ!? SASEBOきっぷ」の2種類です。
「かもめで世界へ!? NAGASAKIきっぷ」は、特急「リレーかもめ」や西九州新幹線「かもめ」の利用を含む長崎駅までの片道JR券に、「ながさき観光きっぷ カルチャー」(1,600円相当)がセットになっています。この観光きっぷは、長崎市内の3つの観光施設「出島」「長崎孔子廟・中国歴代博物館」「グラバー園」の入場券として利用できるほか、その他の施設でも提示による特典が受けられます。
「みどりで世界へ!? SASEBOきっぷ」は、特急「みどり」を含む佐世保駅までの片道JR券に、佐世保市内のグルメを味わえる「MY SASEBO PASS」(2,500円相当)が付いています。「MY SASEBO PASS」はスマートフォンを活用した電子パスで、チケットの枚数に応じてグルメやお土産を楽しめるほか、パスの提示による特典も用意されています。
(「かもめで世界へ!? NAGASAKIきっぷ」「みどりで世界へ!? SASEBOきっぷ」の価格など詳細は下の図表を参照)
観光チケット付きなのにきっぷより安い!
注目は発売価格です。博多駅発を例に取ると、「かもめで世界へ!? NAGASAKIきっぷ」は4,300円で、指定席を利用した片道JR券単体(6,050円・通常期)より安く買える異例の価格設定で、さらに観光きっぷがセットになっています。「みどりで世界へ!? SASEBOきっぷ」は3,190円で、こちらもJR券単体(4,500円・通常期)より安価な上に、現地で使える電子パスも付いています。
それぞれのきっぷは博多駅発のほか、北九州市内、佐賀駅、熊本駅、鹿児島中央駅発の区間も発売され、いずれも大変オトクな価格設定となっています。ただし、設定は大人用のみで、小児用の発売はありません。また、JR券は長崎駅・佐世保駅までの往路のみで、お帰りの交通手配が別途必要になる点は注意が必要です。
利用期間はいずれも2023年7月22日(土)〜2024年2月29日(木)ですが、「MY SASEBO PASS」のシステムメンテナンスが行われる関係で、「SASEBOきっぷ」に限り一部除外期間が設定されています。発売は「JR九州インターネット列車予約」限定で、乗車日の3日目まで購入できます。また、観光きっぷと電子パスは、長崎駅・佐世保駅構内にある指定の引き換え場所で引換券と交換して入手します。
長崎県によると、県内を周遊できる長崎らしい商品を今後も随時、追加発売していくとしています。JR九州主要駅のデジタルサイネージやテレビCMなどでの宣伝展開も積極的に行い、西九州新幹線の長崎県広報大使を務める長濱ねるさんとの連携も予定しているとのことです。