台風により被災した上田電鉄別所線の全線開通を記念し、2021年3月28日(日)は「無料乗車デー」になります。
2019年10月の台風19号(東日本台風)により千曲川橋梁の一部崩落という甚大な被害を受け、別所線は現在も上田駅〜城下駅間が不通となっています。災害復旧事業が完了し、市民、観光客や鉄道ファンのシンボルとして親しまれてきた「赤い鉄橋」に1年5か月ぶりに電車の走行音が響きます。
上田電鉄では復旧への支援、協力への感謝の気持ちとして、全線で運行を再開する2021年3月28日(日)を「無料乗車デー」とすることを決定しました。別所線は始発から最終列車まで、どなたでも運賃無料で乗車できます。改札は開放され、きっぷの購入や定期券の提示は不要です。
別所線はダイヤ改正により土休日ダイヤが導入されますが、当日は本数の多い平日ダイヤで運転されます。また、千曲川橋梁を最初に渡る臨時列車が定期列車の前に運転されます(上田駅5:55発・下之郷駅6:14着)。別所線上田駅ホームでは出発式が行われ、上田駅長と別所観光駅長の出発合図により「1番列車」が出発します。
上田駅に乗り入れる上田電鉄、しなの鉄道、JR東日本の3社合同企画として、「別所線全線開通記念きっぷ」が発売されます。記念台紙は3社共通で、千曲川橋梁を渡る別所線電車「まるまどりーむ号」と別所線全線開通ロゴが掲載されています。きっぷの内容と発売金額は各社により異なります(上田電鉄: 770円、しなの鉄道: 2,070円、JR東日本: 150円)。発売箇所は各社上田駅およびしなの鉄道軽井沢駅で、3月28日(日)〜3月31日(水)の期間中、各社500セットが限定発売されます。
3月28日(日)は上田市内各所で全線開通記念イベントも開催されます。昨年、日本遺産に認定された国宝・安楽寺八角三重塔ならびに国重要文化財・信濃国分寺三重塔の「大日如来坐像」が1日限定で特別公開されます。また、上田駅の自由通路では「上田 駅ナカ横丁」が開かれ、軽食・スイーツ・飲料や土産品などがテイクアウト形式で販売されます。そのほか、全線開通記念グッズの販売なども予定されているとのことです。