南海高野線沿いの「桜並木」ライトアップに合わせ、観光列車「こうや花鉄道 天空」が夜の時間帯に初めて臨時運転されます。
高野線の高野山麓エリア(橋本駅〜極楽橋駅間)は、日本屈指の急勾配と急カーブが連続する山岳鉄道区間として知られてきました。南海電気鉄道では、このエリアのさらなる魅力向上のため「こうや花鉄道」の名を掲げ、沿線自治体と協力しながらさまざまな活性化の取り組みを行っています。その一つが学文路駅〜九度山駅間のうち約330mの区間に植えられた「桜並木」で、景観保全のために地元とともに植樹が行われたソメイヨシノ29本が春の車窓を彩っています。
この桜並木が2021年3月22日(月)〜4月4日(日)まで、40基の桜専用LEDライトによってライトアップされます。点灯時間は18〜22時で、付近に設けられたウッドデッキスペースでは間近で夜桜を楽しむことができます。ライトアップは2020年シーズンに初めて実施され、今回で2度目となります。
学文路駅〜九度山駅間「桜並木」2020年のライトアップの様子です。
https://twitter.com/nankai_official/status/1245683069253586945
今回の初めての取り組みとして、観光列車「こうや花鉄道 天空」が夜時間帯に臨時運転されることが決まりました。3月25日(木)・27日(土)・28日(日)の3日間、ライトアップの時間帯に橋本駅〜高野下駅間に1日1往復増発されます(時刻表と路線図は下図を参照)。この臨時列車は、「天空」専用車両2両と一般車両2両が連結された編成で運転され、乗車券のみで乗車することができます(全車自由席、通常の「天空」専用車両は座席指定券大人520円、小児260円が必要)。なお、「天空」専用車両は乗車定員が74名のため先着順での案内となり、定員に達ししだい一般車両へ案内されるとのことです。
車窓を楽しむための工夫が凝らされた「天空」ですが、通常は日中に運転されるため、車内から鑑賞するライトアップされた桜並木は希少価値の高い体験となります。また、3月25日(木)の下り高野下駅行および、3月27日(土)・28日(日)の上り橋本駅行の各列車では、オリジナルグッズや地元特産品配布などの特典も用意されています。
そのほか、九度山駅構内の「おむすびスタンド くど」ではライトアップ期間中の土・日曜に、春の山菜「ふきのとう」を使用した限定おむすび「黒米ふき味噌くるみむすび」(250円)が販売されます。また、ライトアップ期間中に高野下駅の駅舎ホテル「NIPPONIA HOTEL 高野山 参詣鉄道 Operated by KIRINJI」に宿泊した方には、橋本駅〜高野下駅間の往復乗車券がプレゼントされます。
南海電鉄は、九度山町と連携したこれらの取り組みにより、桜並木ラインナップを将来的にはこのエリアの「季節の風物詩」として認識してもらえる行事にしたいと考えています。