北陸鉄道 新型コロナで「危機的状況」 金沢のバス回数券や「ICa」10%プレミアを廃止

北陸鉄道、北鉄金沢バスおよび加賀白山バスは、新型コロナウイルス感染症の影響長期化を受け、回数券やICサービスなどを見直します。

金沢駅東口バスのりば(Masa1031/写真AC)
金沢駅東口バスのりば(Masa1031/写真AC)

金沢地区の北陸鉄道グループバス全路線(高速バス等を除く)で利用できる回数券は、2021年6月30日(水)をもって発売終了となります。廃止となる回数券は「金沢地区バス回数券」「金沢地区バス車内回数券」「特急空港回数券」および「鉄道得用回数券(23枚つづり)」の4種類です(詳細は下表を参照)。すでに購入したこれらの回数券については、7月1日(木)以降も引き続き利用できます(ただし、「鉄道得用回数券」は有効期間内に限ります)。

なお、加賀・能登エリア(加賀温泉バス、北鉄奥能登バス、北鉄能登バス)では回数券の発売が継続されますが、7月1日(木)以降は金沢地区での利用はできません。「鉄道普通回数券(11枚つづり)」、鉄道・バス乗り継ぎ用の「2線連絡回数券」などの発売は継続されます。

北陸鉄道のICカード「ICa(アイカ)」では、入金額の10%を付加する「プレミアサービス」および、定期券購入時にポイントを付与する「ICaエコポイントサービス」が6月30日(水)をもって終了します。付加・付与されたプレミア額と定期券エコポイント(期限内に限る)は7月1日(木)以降も利用できます。プリペイド利用時の「ICaエコポイントサービス」および「複数回乗車割引」の各サービスは継続されます。

あわせて、鉄道線フリー乗車券の発売額が7月1日(木)に改定されます。「鉄道線全線1日フリー乗車券(金箔仕様)」は、現行価格が大人1,000円、小児500円ですが、改定後は大人1,100円、小児550円に値上げとなります。「石川線 土日祝限定 1日フリーエコきっぷ」「浅野川線 土日祝限定 1日フリーエコきっぷ」をはじめ4つの券種についても、7月1日(木)から値上げされます。

【図表で解説】北陸鉄道 回数券・「ICa」サービス・フリー乗車券を見直し

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、北陸鉄道グループの2020年度の連結業績予測は23億9500万円の当期赤字が見込まれており、2021年度以降の回復も見通せず「危機的状況が続く」としています。こうした中で公共交通インフラとして輸送サービスを提供していくため、費用負担の大きい乗車券サービスについては見直さざるを得ないとのことです。

今後、経営状況や利用状況を踏まえながら、継続するIcaサービスの拡充をはじめ、非接触サービスのさらなる推進により利便性の向上を図りたいとしています。