東京から乗換1回で津軽最北端「龍飛崎」へ 新幹線予約データ活用の乗合タクシー実験

JR東日本は、新幹線の予約状況等のデータと連動した乗合タクシー運行の実証実験を青森県津軽地方で行います。
(2021年6月10日 「本州最北端」は大間崎であるとのご指摘をいただき、表題と本文を訂正しました。)

青森県龍飛崎にある国道339号「階段国道」(KJa/写真AC)
青森県龍飛崎にある国道339号「階段国道」(KJa/写真AC)

新幹線とタクシーを組み合わせたシームレスな移動手段を提供する目的で、2021年8月の一部週末とお盆期間に実施されます。実証実験にはベンチャーキャピタルのJR東日本スタートアップ(東京都港区)、クラウド型タクシー配車システム運営の電脳交通(徳島市)および、タクシー会社の奥津軽観光(青森県中泊町)が参画します。電脳交通は徳島のタクシー会社から生まれたベンチャー企業で、タクシー業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進をミッションとしており、「JR東日本スタートアッププログラム2020」に採択されています。

2019年から夏期間に、津軽半島の観光に便利な津軽線臨時列車が蟹田駅〜三厩駅間で運転されています。この列車は東京駅6:32発の新幹線下り列車「はやぶさ1号」にあわせた時間帯に運転していますが、臨時列車を運転できない日の代替交通として、奥津軽いまべつ駅から津軽半島最北端の龍飛崎(竜飛岬)方面へ、乗り換えなしで結ぶ乗合タクシーが運行されます。運行期間は2021年8月1日(日)・7日(土)〜15日(日)です(運転日カレンダーは下表を参照)。

乗合タクシーの運行においては、新幹線「はやぶさ1号」における奥津軽いまべつ駅降車の予約状況等のデータが活用されます。これをもとに、電脳交通が乗合タクシーの配車に必要な利用人数や台数、車種といった乗車見込みを予測し、情報提供を受けた奥津軽観光が乗合輸送サービスを実施します。新幹線の予約状況等のデータを活用する実証実験は、2021年3月に山形新幹線の米沢駅で実施されており、今回で2例目となります。

【路線図で解説】JR東日本など 新幹線と組み合わせた乗合タクシー運行の実証実験

乗合タクシーは往復運行され、往路は「はやぶさ1号」(奥津軽いまべつ駅10:07着)の接続を受け、奥津軽いまべつ駅停留所を10:20に出発します。国道280号旧道を通り、津軽線三厩(みんまや)駅(10:35頃)を経由して龍飛崎停留所には11:00頃に到着します。往路はルート上の希望の場所で降車することができます(地図は下図を参照、途中乗車はできません)。

往路を利用した方に限り整理券が配布され、復路も利用することができます。復路は龍飛崎停留所を14:30に出発し、奥津軽いまべつ駅停留所には15:00頃に到着します。復路はノンストップで、途中乗降はできません。奥津軽いまべつ駅15:35発の新幹線上り「はやぶさ34号」(東京駅19:04着)および、津軽二股駅15:54発の津軽線 蟹田駅行に接続します。

利用料金は1回1日あたり500円で、タクシー乗車時に現金で支払います。大人・小児同額で、小学生未満は無料です。予約制ではないため、満席の場合は乗車できません。

実証実験を検証し、今後のさらなる移動サービスの検討に活用するため、利用者にはアンケートが行われます。回答した方の中から抽選で特産品等がプレゼントされます。そのほか、実証実験の詳細は特設サイト(2021年7月オープン予定)で告知されます。