小田急百貨店新宿店本館が解体へ 2022年9月閉館 超高層ビル完成まで「ハルク」で営業

小田急百貨店(東京都新宿区)は、2022年9月末(予定)をもって新宿店本館での営業を終了し、再開発工事に伴い建物は解体されます。

2022年10月以降の解体が決まった小田急百貨店新宿店本館(Katsumi/TOKYO STUDIO)
2022年10月以降の解体が決まった小田急百貨店新宿店本館(Katsumi/TOKYO STUDIO)

小田急百貨店新宿店は、1962年(昭和37年)11月に現在の「新宿西口ハルク」に開業しました。現在の本館の建物の一部が1966年(昭和41年)9月に新館として開店し、1967年(昭和42年)11月の全面開業をもって地上14階建て、地下2階建ての本館としての営業が始まりました。

新宿店本館は小田急グループの流通業の拠点として、また新宿駅西口の象徴的な建造物として、副都心開発を見守りながら50年以上親しまれてきました。外観が同一のパネルなので気づきにくいですが、小田急線と丸ノ内線の2棟の駅ビルに分かれており、統一されたデザインにより一棟の建物に見えるよう設計されています。西口広場とも一体となったこのデザインは、モダニズム建築家の板倉準三氏が手がけました。

小田急電鉄は東京地下鉄(東京メトロ)などと共同で、国家戦略特別区域の都市再生プロジェクトである新宿駅西口地区開発計画を推進しています。この進捗に伴い、再開発に向けて新宿店本館の建物は解体されることが決まっています。

2022年10月(予定)以降の工事期間中、新宿店は新宿西口ハルクで規模を縮小しての営業となり、2022年春頃からそれに向けた改装工事が着手されます。現在、新宿西口ハルクでは食品、スポーツ用品等の売場が展開されていますが、改装後は「食品」「化粧品」「インターナショナルブティック」を中心とした構成になる予定とのことです。そのほかの売場を含めたフロア構成などの詳細は、決まり次第告知するとしています。

新宿店本館跡地には地上48階、高さ約260mの超高層ビルの建設が計画されています。「新宿グランドターミナル」の一体的な再編を象徴する大規模開発となり、高層部にはハイグレードなオフィス機能、中低層部には新たな顧客体験を提供する商業機能が備えられます。2022年10月(予定)以降に着工し、2029年度の完成が予定されています。