アルピコ交通「信州素通り」夜行バス新路線 需要回復見据え東京〜金沢・大阪線に参入

アルピコ交通(本社: 長野県松本市)は、東京都内と北陸・関西方面を結ぶ2つの夜行高速バス路線の運行を2022年4月21日(木)から開始します。

アルピコ交通の高速バス車両(Katsumi/TOKYO STUDIO)
アルピコ交通の高速バス車両(Katsumi/TOKYO STUDIO)

新たに運行する「渋谷・八王子〜金沢・加賀温泉線」は、もともと西東京バス(本社: 東京都八王子市)と北陸鉄道との共同運行で開設された路線です。北陸鉄道の運行離脱により2020年4月以降は西東京バスの単独運行となりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要の急減を受けて現在は運休中となっています。アルピコ交通は、需要回復の兆しがあるとして参画のため調整を行い、共同運行路線というかたちで運行を再開させます。渋谷マークシティ、京王・JR八王子駅と金沢駅・小松駅・加賀温泉駅を結ぶ所要約9時間の路線で、中央・圏央・関越・上信越・北陸の各自動車道を経由します(時刻表と運賃は下表を参照)。

また、「大阪〜新宿・渋谷・池袋線」は京王バス(本社: 東京都府中市)と阪急観光バス(本社: 大阪府豊中市)が運行していましたが、同じく需要急減のため運休となっている路線です。阪急観光バスの運行分をアルピコ交通が引き継ぐことが決まり、京王バスとの共同運行により運行が再開します。池袋駅、バスタ新宿、渋谷マークシティから中央自動車道・名神高速道路を経由し、大阪梅田(阪急三番街高速バスターミナル)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンまで約10時間で結びます(時刻表と運賃は下表を参照)。

今回の運行開始により、席数・期間限定で金沢・加賀温泉線では大人片道3,900円、大阪線では同4,800円の特別割引プランが発売されます。また、アルピコ交通と京王バスの公式Twitterアカウントでは、優待乗車券や各地沿線施設の優待券などが抽選で当たる記念キャンペーンが開催されます。

【時刻表で解説】アルピコ交通 東京と北陸・関西を結ぶ高速バス路線に参入

今回の2路線は、アルピコ交通が主要拠点とする長野県を通るものの、乗降扱いは行われません。同社が長野県内を起終点としない高速バス路線に参入するのは今回が初めてで、新規顧客の開拓により競争力向上や収益の拡大を図る狙いがあります。東京・大阪の両支社を軸にした新たな路線を構築することで旅行需要をつくり出し、コロナ禍で急速に消費が冷え込んだ観光業の復興に貢献したいとコメントしています。