神戸市交通局は、タッチ決済に対応したクレジットカードやスマートフォンなどで神戸市営地下鉄に乗車できる新しいサービスを2024年春から導入することを明らかにしました。
改札にタッチ決済リーダーを設置
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(神戸市須磨区)は2024年5月に開催される「世界パラ陸上競技選手権大会」の会場であり、地下鉄は観客のメインアクセスを担います。ほかにも、大阪・関西万博や神戸空港の国際化などが控えており、神戸市は国際標準であるタッチ決済の環境を整備して来訪者の増加に対応します。
利用できる駅は、西神・山手線、北神線、海岸線の全27駅(新長田駅は重複して計上)で、タッチ決済に対応した専用リーダーが新たに設置されます。タッチ決済対応マークが付いたクレジット・デビット・プリペイドカードや、カードが設定されたスマートフォンをリーダーにタッチすると、そのまま改札を通過して乗車できるようになります。
きっぷの購入やICカードのチャージが不要となるため、外国人観光客だけでなく、国内観光客や沿線住民もよりスムーズに乗車できるようになります。将来的にはタッチ決済を通して、地下鉄の乗車だけでなく、沿線地域の施設による買い物や食事などのサービスと連携することも検討したいとのことです。
(神戸市営地下鉄でタッチ決済乗車に対応する駅、履歴確認サイトの画面イメージなど詳細は下の図表を参照)
地下鉄では全国2番目の導入
当初、利用可能な決済ブランドはVisa、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯で、準備ができ次第Mastercardも追加される予定です。2024年4月の開始に向けて準備を進めるとのことで、具体的な開始時期は改めて告知するとしています。
今回のサービスは、三井住友カード(本社:東京都江東区)が提供している公共交通機関向けの決済システム「stera transit」が活用されています。プロジェクトにはそのほか、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)、ジェーシービー(本社:東京都港区)、東芝インフラシステムズ(本社:神奈川県川崎市)、QUADRAC(本社:東京都港区)が参画しています。
タッチ決済乗車に対応する国内の鉄道事業者は徐々に増えており、公営地下鉄での採用は福岡市交通局に続いて2例目です。関西では南海電気鉄道、泉北高速鉄道や京都丹後鉄道で先行して導入されており、首都圏でも2023年4月から江ノ島電鉄でのサービスが開始しています。