Osaka Metro(大阪メトロ)は、中央線で約40年間運行してきた「20系」車両が老朽化のため2024年3月で引退することを記念し、「ありがとう20系! さよならイベント」を開催します。
第三軌条方式でのVVVFインバータ制御は日本初
現在の鉄道車両に一般的に採用されている走行機器は、省エネルギー性に優れ、発熱が少ないVVVFインバータ制御方式です。新技術の導入に積極的な当時の大阪市交通局は試作車両による調査や研究を重ね、1984年(昭和59年)、第三軌条(サードレール)から集電する車両として日本初となるVVVFを採用した20系の運行を中央線で開始しました。
一時は谷町線にも配属されましたが、相互直通運転を行う近鉄東大阪線(現在の近鉄けいはんな線)内でのワンマン運転と最高速度の引き上げに伴う車両改造の対象とするため、2004年(平成16年)から順次、谷町線から中央線へと転用されました。
2014年(平成26年)に第1編成が20系として初めて廃車されましたが、残る15編成は運行が続けられてきました。転機となったのは、大阪・関西万博の開催決定です。会場の夢洲(ゆめしま)へ延伸する中央線の輸送力増強や車両若返りのため、2022年から「30000A系」、2023年から「400系」の各新型車両の導入が始まりました。20系は順次廃車が進み、現在は4編成を残すのみとなっています。
(Osaka Metro 20系車両引退記念「ラストラン&撮影会」の募集内容、ヘッドマーク掲出など詳細は下の図表を参照)
検車場までのラストランはお楽しみ行路で
省エネ地下鉄車両の先駆けとして平成の時代の都市輸送を支えた20系の最後の活躍を彩るため、2024年1月下旬からステッカー型の「オリジナルヘッドマーク」が掲出されます。
2月12日(月・休)までの約2週間は、一般の方がデザインしたオリジナルヘッドマークが20系1編成の両先頭車前面に掲出されます。このヘッドマークを掲出できる権利は限定1名に11万円で販売されるもので、採用者には期間終了後に同デザインのステッカーが記念品としてプレゼントされます。なお、2月中旬から3月20日(水・祝)までは大阪メトロ社員がデザインしたヘッドマークが掲出されます。
2月12日(月・祝)と3月20日(水・祝)の2日間は、それぞれ営業運転を終了した20系車両のラストランに乗車できる有料イベント「さよなら20系! ラストラン&撮影会」が開催されます。森ノ宮駅から緑木検車場(大阪市住之江区)まで営業列車では使用していないルートで運行し、乗車する車両にとって最後となる車内自動放送も流れるとのことです。検車場では乗車した車両の撮影会が実施されます。
募集人員は各回100名の計200名で、参加費は中学生以上1万円、小学生以下8,000円です。これとは別に、各回1名限定でラストランを終えた列車の電源を落とす「泊車」操作を体験できる参加費2万円のプランもあり、18歳以上のみが応募できます。申し込みには「e METRO」アプリのダウンロードが必要で、2023年12月25日(月)から抽選による受付が順次開始します。
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