「新型有料特急」が東京スカイツリーと成田空港を直結 押上発の新規需要狙い京成が積極投資 車両も新造

京成電鉄は、押上駅〜成田空港駅間を結ぶ新型の有料特急列車を2028年度に導入し、増加が見込まれる航空旅客のアクセスを強化します。

訪日外国人をはじめとする旅客数や貨物量の増加を見据え、成田空港では新滑走路の整備や旅客ターミナルの再構築といった機能強化が段階的に進められます。京成は2040年代までに総額8000億円規模に上る鉄道事業への投資を進める中期経営計画を打ち出し、空港アクセスを強化して発着容量の積み上げに対応する構えです。

輸送量増強策の一つとして初めて公表されたのが、現在は一般列車のみが発着する押上駅への有料特急の新規乗り入れです。2028年度の運行開始に向け、すでに新型車両の設計に着手しているとのことです。押上駅周辺は東京スカイツリーを筆頭とする観光スポットが多くの旅行者で賑わっているほか、京成もグループでホテルや路線バスを運営・運行しており、シナジー効果が期待できるとしています。

現在は「スカイライナー」が京成上野駅発着で運行していますが、新型特急は成田空港駅からスカイライナーと同じ成田スカイアクセス線を経由し、青砥駅で押上線に分岐します。なお、押上駅から先、都営浅草線・京急線方面への直通は行わず、今後の可能性について現時点では言及されていません。

京成は並行して、同社最大容量を持つ宗吾車両基地(千葉県酒々井町)のさらなる拡充に取りかかっており、今後は成田空港周辺にある単線区間の複線化、新旅客ターミナルに伴う駅整備などの施設改良も検討します。さらに、現在の8両からの長編成化を視野に入れた次期スカイライナー車両の検討も始めるとしており、将来にわたる需要増加に向けた大規模投資が続きます。

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