佐賀・長崎から国鉄気動車が消滅へ ハイブリッド方式の最新「YC1系」を追加投入 唯一残る例外車両は?

JR九州は、佐賀・長崎エリアの老朽化した旧型気動車を置き換えるため、近郊型ディーゼルエレクトリック車両「YC1系」を2025年7月1日(火)に7両追加投入し、59両体制とします。

西九州新幹線開業で在来線車両も激変

西九州新幹線の開業に伴い在来線特急列車の運行区間が短縮することに対応し、長崎本線の肥前浜駅〜長崎駅間は電化設備が撤去され、電車が走れない非電化区間となりました。これに合わせ、国鉄から使用してきたキハ47形気動車を九州の他エリアから転属し、有明海をイメージした青色塗装の外観にリニューアルしました。2022年9月の新幹線開業と同時にこのエリアの普通列車として運行を開始しています。

一方でJR九州は、ディーゼルエンジンの駆動力を発電に活用して交流電力に変換し、電車のようにモーターを回転させて走行するハイブリッド技術を導入した次世代型省エネ車両YC1系を開発しました。ブレーキ時に発生する回生電力を充電する蓄電池も搭載し、走行時に効率よくアシストすることで燃料使用量の削減やエンジンからの騒音低減を実現しています。

キハ47形リニューアル車両は短命で終焉

開発コンセプト「やさしくて力持ち」の頭文字が形式名YCの由来となっており、段差をなくした片側3か所の両開き乗降扉などサービス面の充実も図られています。YC1系は2020年3月に運行を開始し、置き換え対象となったキハ66・67形気動車は2021年6月をもって営業運転を終了しています。今回の増備によりYC1系は長崎本線の江北駅〜小長井駅間で初めて運行を開始し、運用区間は長崎本線の江北駅〜長崎駅間と佐世保線・大村線の全線に拡大します。

これにより、リニューアルからわずか3年弱のキハ47形はすべてYC1系に刷新され、新幹線開業から新型車両登場までの「つなぎ」の役割を終えます。ただし、一周ルートで長崎駅と武雄温泉駅を結ぶ観光列車「ふたつ星4047」に改造されたキハ40・47形は例外で、このエリア唯一の国鉄車両として運行を続けます。

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