山形新幹線の新型車両「E8系」で相次いで発生した車両故障の原因をいまだ特定できていないJR東日本は、少なくとも2025年7月中は「つばさ」号の減便を継続します。
さらに車両基地のE8系でも故障発見
2025年6月17日(火)11:24頃、東北新幹線の宇都宮駅~那須塩原駅間で回送列車として運転中のE8系で車両故障が発生し、本線上で長時間にわたり走行不能状態となりました。当日はほかの営業列車2本と回送列車1本でも相次いで車両故障が発生しており、使用車両はいずれもE8系でした。走行不能に陥った共通の理由は、車両の各機器への電力供給を担う補助電源装置が故障し、モーターを駆動できない状態となったためです。
JR東日本とメーカーによる詳細な調査により装置内部にある半導体素子に損傷が見つかっており、7月9日(水)の中間報告では、この原因をまだ特定できていないとのことです。さらに、車両基地に留置していたE8系1編成でも補助電源装置の故障が新たに見つかったことを公表しています。引き続き気温などの環境的要素を含めて広い観点から原因究明を行い、必要な対策を講じていくとしています。
福島駅での乗り換えを一部解消
現在もE8系の単独運転を新幹線・在来線区間ともにすべて取り止めている影響で、山形新幹線「つばさ」号は一部または全区間を運休し、原則として福島駅で山形駅・新庄駅方面へ折り返し運転を行っています。福島駅での乗り換えにより東北新幹線の車内混雑が常態化しているため、夏休み期間に入る7月19日(土)からは17両編成で運転する「やまびこ」の本数を増やし、一部列車を除いて増結車両の11~17号車を指定席に設定します。これに向けて山形新幹線内に留置しているE8系を深夜時間帯に順次、東北新幹線内へ回送する対応を取る一方、使用できる車両数に限りがあることから、福島駅~山形駅間の列車本数が減少します。
福島駅で乗り換えの必要がない東京駅直通の「つばさ」は現在、1日あたり1往復のみ設定されていますが、7月19日(土)以降は3往復に拡大します。運転時刻は下り列車が「つばさ127号」(東京駅8:07発)・「135号」(同11:00発)・「153号」(同18:00発)、上り列車は「つばさ128号」(山形駅8:03発)、「146号」(同15:03発)・「156号」(新庄駅17:12発)です。7月中は引き続きこれらの対応を実施し、8月以降の対応については改めて告知するとのことです。