伝説の「山岳夜行」元近鉄特急車両でこの夏に復活 かつて実在した大井川鐵道の登山客向け夜行列車

大井川鐵道は、かつて近畿日本鉄道で特急車両として活躍した16000系電車を使用した新たな夜行列車「山岳夜行」を2025年夏に4日間運行します。

りらすぽ Mt.SuGi
6,600円〜(★0)
SL列車の汽笛、南アルプスの山々一望デッキ、食材持ち込むのみIHクック、食器、調理器具完備
コミュニテバス川根・川口線(平日のみ)に乗車。「山の家」バス停下車し、徒歩にて約7分(送迎可)
詳細を見る
(提供:楽天トラベル) Supported by Rakuten Developers

「大垣夜行」から接続受け南アルプスへ

山岳夜行は、南アルプス登山客をターゲットに、1970年代から80年代後半にかけて夏季シーズンに運行していた電車による夜行列車です。同社に残る数少ない資料によると、夏季限定で金谷駅に臨時停車していた国鉄の東京駅発・大垣駅行普通列車(通称「大垣夜行」)から接続を受け、金谷駅午前3:30発で千頭駅まで運行していたそうです。千頭駅では井川線の臨時列車に、井川駅で畑薙第1ダム行のバスに接続し、7時台から登山を開始できる連絡輸送体制が取られていました。

大井川鐵道は蒸気機関車(SL)と旧型客車の組み合わせによる夜行列車を2024年12月から不定期で運行していますが、かつて独自に運行していた電車による夜行は同社にとって「由緒正しい夜行列車」と言えます。1970年7月の運転開始から55周年を迎える今年、「伝説」として語り継がれる夜行列車に快適性を加え、現代版として復活させます。山岳夜行は7月26日(土)~8月16日(土)の毎週土曜、新金谷駅を21:55に出発し、翌日曜早朝に家山駅(6:05頃)、川根温泉笹間渡駅(6:14頃)に到着します。

奥大井へ向かう人も、折り返す人も

途中、金谷駅に入線するので、東海道本線を行き交う夜行列車や貨物列車を車内から眺めることもできます。奥大井へ向かう場合、家山駅で川根本町コミュニティバスに乗り換え、さらに千頭駅で寸又峡線バスに乗り継ぐと、通常より大幅に早い8時台に寸又峡温泉に到達します。また、夜行列車の雰囲気体験が目的の場合、終点の川根温泉笹間渡駅で折り返して普通列車としてそのまま金谷駅まで乗車することもできます。

山岳夜行列車の乗車のほか、発車日翌日から2日間使用できる大井川本線フリー乗車証、川根温泉の入浴券、食事などを含む旅行商品として販売中です。定員は各日58名で、1席使用の「エコノミーシングル」(11,800円)から向かい合わせ4席占有の「ゆったりBOX」(19,800円)まで、4つの座席クラスから選べます。収入の一部は、台風被災で今も不通区間が残る大井川本線の全線復旧費用に充当するとのことです。


鉄道おでかけニュース 最新記事