24年ぶり運賃改定で値上げの西武 小児50円均一で家族のお出かけは“値下げ” 「大手民鉄初」の小児全線フリー定期も

西武鉄道は、旅客運賃の変更申請が国に認可されたことを受けて2026年3月に運賃改定を実施するとともに、小児均一運賃を導入するため実施運賃変更の届出を行いました。

10円加算「バリアフリー料金」は廃止

運賃改定の理由として西武は、特に通勤定期客がコロナ禍以前の約8割程度までしか回復しておらず、人手不足や資材価格高騰など経営環境の厳しさも続く見込みであることを挙げています。運賃改定は消費税率変更によるものを除くと2002年以来24年ぶりで、普通運賃の改定率は11.9%、初乗り運賃(ICカード)は現行の157円から169円に値上げされます。

通勤定期運賃は普通運賃の値上げ幅に合わせて改定されますが、通学定期については家計負担を抑えるため現行運賃から据え置きとなります。なお、ホームドアなどバリアフリー設備の整備を進めるため普通運賃に10円を加算する「鉄道駅バリアフリー料金」を2023年3月から導入していますが、整備を継続して実施することを前提として今回の運賃改定で料金収受を廃止することを決めています。

子ども1,000円で1か月乗り放題

運賃改定に合わせ、沿線に住む子どもとその家族のお出かけを応援する目的で、小児IC運賃を区間にかかわらず1乗車50円均一とします。例えば、大人2名・小児2名の4人家族で池袋駅~西武秩父駅間をICカード乗車券で往復する場合、現在は合計4,776円(片道一人あたり大人796円・小児398円)かかりますが、改定後は3,400円(同大人800円・小児50円)となり、約30%おトクに出かけることができます。さらに、小児通学定期を500円(1か月)、小児通勤定期を1,000円(1か月)へと一律化し、通学や習い事、休日のレジャーに幅広く使える西武線全線乗り放題の「小児全線フリー定期券」を1,000円(1か月、小児ICカード限定)で新たに発売します。

西武によると、小児通勤定期への均一運賃と、小児ICカード限定の全線フリー定期券は大手民鉄で初の導入になるとのことです。なお、全線フリー定期券は購入時に通学証明書の必要がない通勤定期として発売されますが、他社線連絡定期券として扱うことはできず、他社線区間も合わせて1枚で持ちたい場合は利用区間を設定する同額の小児通勤定期を選ぶことになります。運賃改定と小児均一運賃の実施日は確定次第、告知するとのことです。

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