44年走った京都・烏丸線“最初の地下鉄車両”が引退間近 「額縁+窓なし貫通扉」の斬新デザインはラスト1編成

京都市交通局は、1981年(昭和56年)の地下鉄烏丸線開業当初から40年以上にわたり運行してきた「10系」初期導入車両について、2025年9月に最後の1編成の営業運転を終了します。

「く」の字に傾斜したシャープな前面形状

京都初の市営地下鉄路線として烏丸線の北大路駅~京都駅間が開通するのに合わせ、「最新の技術を駆使して、安全で早く、しかも快適な乗り心地を目指す」との設計思想に基づいた10系車両の1・2次車が9編成製造されました。当初は4両編成でしたが、のちに付随車を増結して6両編成化され、相互直通運転を開始した近畿日本鉄道京都線・奈良線へも活躍の場を広げました。

初期導入された10系の車両前面は「く」の字形のシャープな前頭傾斜型で、上部の輪郭は「額縁」で囲われ、運転士の視野拡大のため運転台側の正面窓が大型化されています。上下2枚に分かれて開く貫通扉は全体にラインカラーの緑色で装飾され、窓が設けられていないのも当時としては斬新でした。なお、1988年(昭和63年)の京都駅~竹田駅間延伸に合わせ追加投入された3次車以降の10系は、額縁を取り除き丸みをもたせた前面デザインに変更され、貫通扉には窓が設置されています。

9編成のうち8編成はすでに引退

2022年3月からは烏丸線に新型車両「20系」が導入され、製造から40年以上経過し老朽化した初期導入10系車両の置き換えが始まりました。9編成のうち8編成はすでに営業運転を終了しており、最後に引退する初期導入車「第8編成」には「44年間ありがとう」とのメッセージが記された記念ヘッドマークが8月9日(土)から掲出されています。

9月の最終運行日には花束贈呈のイベントを計画しているとのことで、日時は決まり次第公表されます。また、地下鉄京都駅「コトチカ広場」では、初期導入車両をモチーフにした記念乗車券セットや、引退記念のオリジナルグッズを揃えた臨時販売会が9月6日(土)14時から開催されます。

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