東急は、東急線沿線の新たな通勤サービス実証実験「DENTO」の詳細を決定し、実施期間を2021年1月13日(水)〜4月28日(水)とすることを発表しました。
「DENTO」が提唱する「快適な都心通勤を実現する移動サービス」の看板となるのが、田園都市線郊外エリア(新羽営業所、市が尾駅、たまプラーザ駅)と都心(渋谷駅、東京駅)を結ぶ通勤バス「Satellite Biz Liner(サテライトビズライナー)」です。2月16日(火)〜4月28日(水)の平日に期間限定で運行されます。
Wi-Fi完備のトイレ付き観光バス車両が使用され、東急では「動くシェアオフィス」と称して仕事をしながら移動することを提案しています。運行ダイヤにもそのコンセプトが反映されており、朝の都心方面は始業時間よりも少し遅めに到着(東京駅南口10:45)し、帰りの郊外行は終業時間より少し早めに出発(東京駅南口16:25)します。運賃は大人片道1,000〜2,300円ですが、東急線の電車通勤定期券を持っている方には100円の割引優待があります。
通勤定期券所持者のためだけの贅沢な移動サービスとして、1月13日(水)〜4月28日(水)の水・金曜日限定で「相乗りハイヤー」も用意されます。港区・中央区・渋谷区の好きな場所から、横浜市青葉区内の自宅または大井町エリアまで、1BOXタイプの高級ハイヤーで帰宅できます。料金は1,980円(大井町)または3,980円(青葉区)で、「密」を防ぐため1台あたりの定員は4人に制限されます。また、このハイヤーと大井町の人気飲食店のコースメニューをセットにした「ごほうびチケットセット」も販売されます。
大井町線の有料座席指定サービス「Qシート」は通常、当日分のみの販売ですが、「DENTO」に会員登録すると1週間前から事前購入ができるようになります。また、通勤定期券を持っている方は、一日乗り放題の「東急線ワンデーパス」「東急バス一日乗車券」がそれぞれ100円で購入できます(販売数の上限あり)。
そのほかにも、東急線沿線のシェアオフィスやスポーツ施設、バーベキュー施設などでテレワークができる「ワーキングスペースチケット」、通勤定期券所持者限定で沿線施設の割引が受けられる「アクティブクーポン」なども用意されます。
新型コロナウイルス感染症を背景にテレワークの普及が進んでいる中でスタートする「DENTO」は、今の時代に求められている移動サービスについて、前例にとらわれず検討されたことがうかがえます。通勤定期券所持者向けのサービスが中心となっていることから、定期券の新たな「付加価値」を模索し、テレワークにより「定期券の購入を控える」流れを阻止したい狙いもありそうです。
「DENTO」のサービスはLINE公式アカウントをフォローし、会員登録(1月13日(水)以降)を行えば利用できます。各種サービスはLINEのデジタルチケットで提供されるので、窓口に並ぶ際の人との接触や、支払い時の受け渡しリスクを避けることができ、感染症対策にもなるとアピールしています。