池袋発・西武秩父行 臨時夜行列車「奥武蔵51号」 秩父鉄道にも乗り入れるジグザグ行程

西武鉄道と秩父鉄道は、両社線内を周遊しながら首都圏発の座席夜行列車を再現する一晩限りの特別企画列車「臨時夜行急行『奥武蔵51号』」を運行します。

「奥武蔵51号」に使用される西武4000系電車(画像提供: 西武鉄道)

クロスシート並ぶ4000系使用

日本旅行(本社:東京都中央区)が開催する1泊2日ツアーとして企画されるもので、西武鉄道から秩父鉄道に夜行運行で乗り入れるのは初めての試みとなります。2022年9月17日(土)の夜に池袋駅を出発し、西武線・秩父鉄道内を周遊しながら夜を明かし、翌18日(日)早朝に西武秩父駅に到着します。通常は主に飯能駅〜西武秩父駅間などを運行し、長距離列車を思わせるクロスシートが並ぶ西武4000系車両が使用されます。オリジナルヘッドマークの装着や硬券乗車票の発行で特別列車が演出されるとのことです。

営業列車では通ることのない経路を運行するのも「奥武蔵51号」の魅力の一つです。西武線内では豊島園駅、練馬駅、西武球場前駅、所沢駅で折り返すジグザグ運行が行われ、引上げ線やホームのない側線への転線を体験することもできます。正丸駅〜芦ヶ久保駅間の正丸トンネルでは一部区間で車内消灯も実施されます。秩父鉄道への入線後は長瀞駅および三峰口駅で折り返します。多くの途中駅では扉扱いが行われ、車両撮影や休憩の機会が確保されています。また、深夜の長瀞駅の停車時間中には、日本旅行の夜行列車企画では恒例となっている「夜鳴きそば」の販売も行われます。

【図表で解説】西武 4000系使用の団体専用列車「臨時夜行急行『奥武蔵51号』」を運行

夜明けの温泉・朝食付き

「奥武蔵51号」の乗車終了後は、日帰り温泉施設「西武秩父駅前温泉『祭の湯』」で入浴と朝食が用意されています。その後解散となりますが、秩父鉄道と西武鉄道が当日乗り放題となるフリーきっぷが配られ、秩父エリアの観光や都心へのお帰りに活用することができます(列車の運行経路、旅行代金など詳細は下の図表を参照)。

日本旅行大阪法人営業統括部のWebサイトで、8月1日(月)15:00から発売が開始されます。クロスシート1席を利用する基本プランの旅行代金(大人1名)は16,000円で、クロスシートまたはロングシート2席を占有するプランも用意されます。占有プランを2名分購入すると、クロスシート1ボックスをお一人でゆったり使うこともできます。

日本旅行によると、かつて庶民の安価な長距離移動手段として親しまれ、首都圏ターミナルからも各方面へ出発していた座席夜行列車を再現する企画にしたいのことです。現在ではほとんど姿を消した座席夜行列車ですが、往年の郷愁を求める世代や、初めて夜行列車を体験する世代にもノスタルジックな旅情を楽しんでもらえるとしています。