朝日自動車(埼玉県越谷市)は、防災施設「首都圏外郭放水路」(埼玉県春日部市)への無料巡回バスを期間限定で運行します。
首都圏外郭放水路は、首都圏を水害から守るために最先端の土木技術で建設された、地底50mを流れる世界最大級の地下河川です。とりわけ「防災地下神殿」の異名を持つ調圧水槽の壮大なスケールが人気を集めており、映画のロケ地として活用されているほか、米CNNをはじめ多くの海外メディアでも紹介されました。2021年から新たな見学コースが設定され、治水や防災の役割を学べるインフラツーリズムの拠点として注目されています。
2階建て300坪 県内最大・国内最大級のボルダリングエリア「エナジークライミングジム春日部店」(提供: じゃらん)
しかしながら、春日部駅からクルマで約20分という場所にあるため公共交通機関でのアクセスに課題がありました。この問題を解決するため、二次交通の整備に役立てるための実証実験が行われます。
無料巡回バスは2021年12月1日(水)〜2022年1月31日(月)の間、休業日等の一部日程を除き、施設見学会の開催時間帯に合わせて毎日運行されます。春日部駅東口を発着し、見学の受付場所「龍Q館」や道の駅「庄和」を結ぶルートで1日あたり平日は5便、土休日は6便運転されます(運転日カレンダーと運転時刻は下表を参照)。朝日自動車の貸切バス(路線バスタイプ・定員50名)が用いられ、乗車料金は無料です。
また、東武トップツアーズ(東京都墨田区)は参加費無料の個人型および団体型モニターツアーを実施し、巡回バスによるアクセス向上効果の検証を行います。ツアーには「地下神殿コース」入場料のほか、東武鉄道のフリーパス(東武スカイツリーライン浅草駅〜東武動物公園駅間、東武アーバンパークライン全線が1日乗り放題)および、春日部市内飲食店での「地下神殿カレー」などの昼食が含まれています。首都圏外郭放水路Webサイトから先着順で申し込みが受け付けられます。なお、安全上の観点から小学生未満の方は参加できません。
これらの実証実験には観光庁による既存観光拠点の再生計画に基づく補助金が活用されます。
朝日自動車は、首都圏外郭放水路を軸とした新たな観光需要づくりや周辺地域の活性化を図るとともに、定期的な周遊バスの運行の事業化などについて検証していきたいとしています。