富士急行は、2021年12月22日(水)から下吉田駅の列車接近音にロックバンド「フジファブリック」の楽曲を使用しています。
列車接近音は1・2番線ホームで使用され、接近を知らせるアナウンスの後に40秒ほど楽曲が流れます(路線図は下図を参照)。採用された楽曲は河口湖駅方面行が「若者のすべて」、大月駅方面行が「茜色の夕日」で、いずれもボーカル志村正彦さんが作詞・作曲した作品です。メロディへの編曲は行われず、志村さんの歌声がそのまま接近曲として使用されます。
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志村さんは山梨県富士吉田市に生まれ育ち、高校卒業後に上京し「フジファブリック」を結成しました。バンドのフロントマンとしてボーカル・ギターと作詞・作曲も手掛け、2004年(平成16年)にメジャーデビューを果たしました。2009年(平成21年)12月に29歳の短い生涯を終えましたが、代表作「若者のすべて」は高校音楽の教科書にも採用されるなど、独創的で叙情的な詞とサウンドは今も幅広い世代に評価されています。
志村さんの作品には故郷を舞台としたものも多くあります。生涯持ち続けた街への愛着に対する恩返しのためにと、志村さんの同級生である富士急行社員の発案により今回のプロジェクトが始まりました。志村さんを応援する有志の協力や、地元の高校生たちの活動の後押しを得ながら、約2年の年月を経て取り組みがかたちとなりました。志村さんの遺した音楽をより多くの人に伝えていくため、接近音は今後も恒久的に使用するとのことです。
下吉田駅ホームには特設パネルが設置され、志村さんのプロフィールや今回導入される楽曲が紹介されています。このパネルのデザインは、フジファブリックのCDジャケットやグッズデザインも手掛けていた柴宮夏希さんが担当しました。海外にも多くのファンがいる志村さんのことを訪問する世界中の方に知ってもらうためにと、プロフィールには英語・中国語・タイ語の翻訳も添えられています。
また、今回導入された2曲のもつ叙情的な雰囲気が表現されたオリジナルのヘッドマークをつけた車両が登場し、2021年12月22日(水)〜2022年1月10日(月・祝)の20日間限定で普通列車を中心に運行されます。