トンネル内の携帯圏外問題 湖西線の2区間で解消 JR西日本 山陰線・阪和線も今後整備へ

JR西日本は、湖西線の山科駅〜大津京駅間、北小松駅〜近江高島駅間のトンネル区間で携帯電話通信サービスを新たに開始します。

湖西線山科駅に到着するJR西日本223系電車(ジュンP/写真AC)
湖西線山科駅に到着するJR西日本223系電車(ジュンP/写真AC)

山科駅〜大津京駅間には長等山トンネル、北小松駅〜近江高島駅間には第二白髭トンネル・高島トンネルがあり、電波が遮られるためこれまで携帯電話等が利用できませんでした。これらのトンネル区間における無線設備等の整備が完了したため、2022年2月14日(月)始発列車からNTTドコモ、KDDIおよびソフトバンクの通信サービスを利用できるようになります。

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JR西日本は、各携帯電話サービス提供会社と連携してトンネル内の圏外解消に向けて取り組んできました。トンネルの多い山陽新幹線では2010年から段階的に整備が進められ、2016年12月までに全区間で通信サービス利用ができるようになりました。在来線でもこれまでにJR東西線(京橋駅〜尼崎駅間)、関西本線(JR難波駅〜今宮駅間)、東海道本線(京都駅〜大津駅間)および福知山線(宝塚駅〜三田駅間)で順次、携帯電話通信ができるようになっています(路線図は下図を参照)。

【路線図で解説】JR西日本 湖西線トンネル区間で携帯電話通信サービスを開始

総務省は、電波が遮られる場所でも携帯電話等を利用できるようにし、非常時における通信手段の確保など電波の適正な利用を確保する「電波遮へい対策事業」を推し進めています。今回の湖西線2区間については整備費用の1/3に国の補助金が充てられ、事業主体の公益社団法人移動通信基盤整備協会が1/2、鉄道事業者は1/6の負担割合で事業が進められました。

2021年度の「電波遮へい対策事業」には今後整備予定のトンネル区間として、湖西線(マキノ駅〜近江塩津駅間)、山陰本線(嵯峨嵐山駅〜馬堀駅間)および阪和線(山中渓駅〜紀伊駅間)が補助金交付の対象となっています(路線図は上図を参照)。