【写真レポ】横浜市営地下鉄ブルーライン4000形 直線デザインで印象一新 シートも快適

横浜市営地下鉄は、市営地下鉄ブルーラインの新型車両4000形を報道関係者に公開しました。写真31枚で詳しくレポートします。

横浜市営地下鉄ブルーラインで2022年5月2日(日)から運行予定の新型4000形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

ブルーラインでは約5年ぶりの新車両となる4000形のプレス向け撮影会が上永谷車両基地(横浜市港南区)で行われました。コンセプトは「海辺の先進的な都会感」と位置づけられ、横浜らしい凛とした佇まいとスピード感がデザイン表現されています。六角形状にカットされた前面窓、縦に伸びる前照灯と青系のグラデーション、側面と斜めに接合するコーナーが組み合わさり、直線的な押しの強い前面デザインとなりました。

水平基調のシャープな顔が続いた3000形シリーズとは異なり、縦方向への立ち上がりと伸びやかさを重視したデザインへと舵が切られました。ちなみに、デビュー記念の「4000 DEBUT」と記された虹色のステッカーは期間限定のもので、取り除かれた後の印象はまた変わってくると思われます。

車内は3000形シリーズの最終増備車である3000V形と同様、床面や座席にシンボルカラーのブルーが多く使われています。乗降扉との座席袖仕切りは、スモークガラスを使用した従来より大型のものに変更されました。快適性向上のため、1人あたりの座席幅は従来から10mm広い480mmと通勤車両では最大級となり、低反発クッションが仕込まれているため座り心地は上々です。

車両間を仕切る全面ガラス製の貫通扉には横浜の街をイメージした衝突防止パターンが施されて、軽い力で開けるよう取っ手が工夫されています。「ゆずりあいシート」は容易に識別できるよう、床面は赤、壁面は白、吊り手や手すりには黄色が配色されています。感染症対策として車内には抗ウイルス・抗菌コーティングが施されています。

バリアフリー面では、6両編成の各車両に1か所「車いす・ベビーカー優先スペース」が設けられています。スペース内には暖房機や車いす固定器具、非常通報器に加え、2段手すりや床面のピクトグラム表示が追加されました。また、3000V形に続き17.5型LCDモニターによる車内案内装置「YS-VISION」が設置され、4言語(日本語・英語・簡体中文・韓国語)での停車駅や運行情報、ドア開閉予告、ニュースなどが放映されます。

昨今の情勢を受け、横浜市営地下鉄では初めてとなる防犯カメラが各車両に3台搭載されセキュリティ向上が図られているのも大きなトピックです。車両課の担当者によると、既存車両への防犯カメラ設置については具体的な予定はないものの、今後対応する可能性はあるとのことです。

4000形車両の第1編成は2022年5月2日(日)から営業運転を開始します。2022年度末までに残り4編成、2023年度にはさらに3編成が加わり、全8編成が導入されます。製造から28年経過し、現在のブルーラインで最も古い形式である3000A形車両がすべて置き換えられる予定です。3000形シリーズは内外装ともマイナーチェンジを繰り返しながら増備されてきましたが、今回はついに30年ぶりの新形式となりました。この理由を担当者に尋ねると、「車両メーカーが変わったことが大きい」と話していました。

ブルーラインの車両は2004年(平成16年)の3000R形以降、日本車輌製造が製造してきましたが、4000形は川崎重工業(製造部門は川崎車両に分社化)にバトンタッチされました。同社がブルーライン車両を手掛けるのは開業当時の1000形以来とのことです。横浜市営地下鉄のこれからのイメージリーダーとしての期待が新形式名「4000形」にこめられているように感じました。