路面電車もVisaタッチ決済 熊本市電が日本初対応 降車時ワンタッチのみ 対応車両は限定

熊本市交通局は、路面電車としては日本初となる「Visaのタッチ決済」による運賃支払いの実証実験を2022年7月7日(木)から熊本市電で開始します。

熊本市電の超低床車両9700型電車(Saffron/写真AC)
熊本市電の超低床車両9700型電車(Saffron/写真AC)

「超低床車両」は全車対応

超低床車両の全編成を含む、熊本市電全体の約3割の車両に専用の読み取り部が設置されます。タッチ決済対応のVisaカードや、クレジットカードを登録したスマートフォン、ウェアラブル端末をお持ちの方なら誰でも利用でき、降車時に読み取り部にタッチすることで運賃決済が完了します。乗車時のタッチは不要な点が交通系ICカードと異なる点です。

大人普通運賃(170円)を支払う場合は乗務員への申し出は不要で、そのまま読み取り部にタッチして降車します。小児運賃や障がい者等割引運賃、複数人分の運賃支払いにも対応しますが、その場合はタッチする前に乗務員に申告する必要があります。辛島町電停での乗換割引や、「でんでんnimoca」「nimoca」の乗継割引はタッチ決済には適用されません(読み取り部の写真、対象区間の路線図など詳細は下の図表を参照)。

【路線図で解説】熊本市交通局 熊本市電で「Visaのタッチ決済」実証実験

インバウンドも視野

今回の実証実験は国内の利用者だけでなく、回復が期待されるインバウンド旅行者も視野に入れ、2023年3月末まで続けられます。ICカードへのチャージや現金を用意する手間が省け、お手持ちのクレジットカードやスマートフォンで市電をキャッシュレス利用できる便利さが今後プロモーションされます。プロジェクトは三井住友カード(本社:東京都江東区)が統括し、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(本社:東京都千代田区)、小田原機器(本社:神奈川県小田原市)、QUADRAC(本社:東京都港区)が共同で参画しています。

世界ではすでに500の公共交通機関がVisaのタッチ決済による利用に対応しているとのことで、国内でも大手私鉄、地下鉄、ローカル鉄道、フェリーなど対応する交通機関が拡大しています。