山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」料金見直し 110〜420円値上げで「ひかり」との差拡大

JR西日本は、山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」の指定席・グリーン車を利用する場合に適用する指定席特急料金について、2023年4月1日(土)購入分から見直しを行います。

山陽・九州新幹線N700系(りっくん_/写真AC)
山陽・九州新幹線N700系(りっくん_/写真AC)

23年4月から新料金

山陽新幹線(新大阪駅〜博多駅間)の「のぞみ」「みずほ」各停車駅間の利用に対し、110円〜420円の範囲内で値上げを行います。鉄道運賃・料金の改定は一般的に国土交通省の認可が必要となりますが、今回はすでに認可されている上限の範囲内での改定であるため、届出による設定となります。東海道新幹線ならびに九州新幹線にまたがって利用する場合も見直し対象です。「のぞみ」「みずほ」の自由席特急料金および、「ひかり」「さくら」「こだま」の特急料金は変更されません。

「エクスプレス予約」会員向けの商品「EX予約サービス」、「e5489」で発売しているJ-WESTカード会員専用商品「eきっぷ」など、主要なインターネット予約商品の発売価格は今回の見直し対象には含まれません。なお、「EX予約サービス」については2022年6月25日(土)乗車分以降、山陽新幹線を中心とする一部区間の発売額が見直されています(主な区間の改定前後の料金比較など詳細は下の図表を参照)。

【図表で解説】JR西日本 山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」の指定席特急料金を見直し

サービス改善の原資に

JR西日本は、新型コロナウイルス感染症による社会変容を踏まえた山陽新幹線のさらなるサービス改善を今回の値上げの理由に挙げています。今後、「S Work車両」などを備えたN700S車両の投入、車内への「ビジネスブース」の試験導入、特大荷物コーナーの整備(2023年度から導入予定)などに取り組んでいくとしています。これまで行ってきたネット予約をはじめとするサービス改善に加え、デジタル化進展などの環境変化に合わせ、より便利に利用できるようサービス向上を進めるとのことです。

「のぞみ」は運行当初から「ひかり」等とは別の指定席特急料金が設定されています。2003年10月の「のぞみ」増発に伴い自由席が新たに設置されるとともに、指定席特急料金が値下げされました。以後は消費税率引き上げ分を除き、当時の料金水準が維持されています。指定席を利用した場合の「のぞみ」等と「ひかり」等との特急料金の差はこれまで最大320円でしたが、今回の料金見直しに伴い、新大阪駅〜博多駅間などで最大740円差へと広がります。