JR北海道は2023年3月18日(土)にダイヤ改正を実施し、間もなく営業運転を終了する「キハ183系」気動車の置き換え用として、札幌駅〜網走駅間の特急列車に「キハ283系」を投入します。
キハ183系は完全引退間近
1986年(昭和61年)の登場以来、北海道内の各線区で特急列車として活躍してきた183系ですが、老朽化が進み、2023年4月に完全引退することが決まっています。現在は石北本線を主に走行する特急「オホーツク」「大雪」として1日あたり8本の定期運用に就いています。2023年3月17日(金)をもって定期運行は終了し、その後は臨時列車や団体貸切列車としてのラストラン運行が予定されています。
3月18日(土)のダイヤ改正日以降の「オホーツク」「大雪」は、1997年(平成9年)に根室本線の特急「スーパーおおぞら」としてデビューした283系気動車にすべて置き換えられます。
道内鉄道の高速化を目指して開発された283系は、カーブでも高速走行できる振り子式台車を搭載しています。札幌駅〜釧路駅間で所要時間の大幅な短縮を実現し、道東エリアから札幌圏への往来を増やすことにひと役買いました。
後継車両への置き換えが決まり、2022年3月ダイヤ改正でいったん定期運用を終了しましたが、活躍の場を移して1年ぶりに再始動します(ダイヤ改正前後の特急「オホーツク」「大雪」の運転時刻と所要時間の比較など詳細は下の図表を参照)。
「FURICO」ロゴは“封印”
283系が石北本線特急として運行を開始することに合わせ、沿線の7自治体(旭川市・上川町・遠軽町・北見市・美幌町・大空町・根室市)にまつわるラッピングが車両に貼り付けられます。沿線地域の方に同車両への親しみを持ってもらうのが目的で、例えば上川町は「大雪山国立公園」、北見市は「カーリング」など、それぞれの自治体をイメージできるイラストで構成されています。
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ラッピングの掲出場所は先頭車の左右部で、以前は振り子車両を表す「FURICO 283」のロゴが配置されていました。高速走行を引き出す振り子方式は283系の最大の特徴ですが、石北本線で機能を使用する計画はなく、外観デザイン上からも“封印”されることになります。
とは言え、183系と比べると走行性能は高く、ダイヤの見直しにより札幌駅〜網走駅間で平均2分、旭川駅〜網走駅間で平均4分の所要時間短縮が実施されます。
現行の183系は基本4両編成で、全席にコンセントが設置された1+2列座席のグリーン車がうち1両連結されています。一方、新たに組成される283系の基本編成は3両(うち2両が指定席)で、グリーン車の設定はありません。使用車両は比較的新しくなりますが、グリーン車という選択肢がなくなるのは大きな変更点です。なお、利用が見込まれる日には増結が行われるとのことです。
道内の特急列車ではそのほか、札幌駅〜旭川駅間の「ライラック」について、朝時間帯に下り2本(3号・5号)の発車時刻が繰り上げられ、通勤・通学に利用しやすい時間設定となります。