アクセス線3100形増備 新形式「3200形」って? 京成の設備投資 新千葉駅にエレベーター

京成電鉄は2023年度、鉄道事業に総額193億円の設備投資を計画しており、駅施設のリニューアルやバリアフリー化、通勤型車両の新造、鉄道施設の強靭化などを実施します。

成田スカイアクセス経由のアクセス特急として運行している京成3100形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
成田スカイアクセス経由のアクセス特急として運行している京成3100形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

昭和6年製の荒川橋梁を架け替え

新型コロナウイルス感染症による需要減の影響を受け、京成は2021年度から2年間、設備投資額を130億円台にまで抑制していました。直近では輸送人員が回復傾向で、特に成田空港アクセスやスカイライナーの利用者数が大きく伸びています。今年度は昨年度実績から投資額を58億円積み増し、安全・安定輸送の確保、利用者サービスの向上、環境負荷の低減に向けた取り組みを強化します。

押上線四ツ木駅〜青砥駅間の東京都葛飾区内では、2002年(平成14年)度から連続立体交差事業が行われています。最終的には京成立石駅を含む区間が高架化され、平和橋通りなど11か所の踏切を廃止して交通渋滞の解消を図る計画です。今年度は引き続き、下り線を仮線に切り替える工事が実施されます。

沿線地域の防災対策として、京成本線の荒川橋梁を架け替え、堤防をかさ上げする工事が引き続き行われます。橋梁は1931年(昭和6年)に架けられたものですが、広域的な地盤沈下に対応するため周辺の堤防がかさ上げされる中、橋梁による切り欠き部は堤防より約3.7m低い状態が続いています。工事は国の河川事業として2022年2月に着工しており、16年間にわたり実施される見込みです。

大規模地震に備える耐震補強工事は、市川真間駅などの駅舎、京成八幡駅などのホーム上家、千葉寺駅〜ちはら台駅の高架橋柱で引き続き実施されます。谷津駅〜京成津田沼駅間では、集中豪雨による土砂流出を防ぐ法面補強工事が行われます。また、宗吾変電所の変電設備、宗吾参道駅の信号連動装置など、安全性の維持・向上のための鉄道施設更新も続けられます。

(京成電鉄の設備投資計画、本線荒川橋梁の架け替えイメージ、ホームドア設置状況など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】京成電鉄の設備投資計画、本線荒川橋梁の架け替えイメージ、ホームドア設置状況

新形式は「編成車両数の変更」に対応

車両面では、2019年度にデビューし、これまでに6編成が導入されている3100形が今年度は1編成(8両)新造され、既存の老朽車両が置き換えられます。成田スカイアクセス線のアクセス特急に主に使用する3100形には、空港旅客に対応した機能として、ロングシートの中央部に座席跳ね上げ式の荷物スペースが設けられています。

併せて、「編成車両数が変更できる」特徴を持つ新形式の3200形車両の製造が計画されており、導入に向けた設計が行われます。また、テロなどの危険行為に対処するため、通勤型車両への車内防犯カメラの設置も進められます。

市川真間駅では2021年度から耐震化工事が行われていますが、今年度からニューアル工事も開始します。青砥駅などでも駅施設のリニューアルに着手する予定です。また、八千代台駅では上りホームのライナー待合室、志津駅と京成酒々井駅ではトイレがそれぞれリニューアルされます。船橋競馬場駅などでは、駅ホームの老朽化対策となる改良工事が実施されます。

バリアフリー面では、勝田台駅の南口でエレベーターの新設工事に着手するほか、新千葉駅でエレベーター、スロープとバリアフリートイレの整備が始まります。押上駅では、ホームからの転落や列車との接触を防ぐホームドアの設置工事が東京都交通局との共同事業として進められており、今年度完了する見込みです。

京成の駅ホームドア設置は、整備予定の押上駅を除くと3駅(日暮里駅、空港第2ビル駅、成田空港駅)にとどまっています。同社は国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用し、2024年春から運賃に上乗せしてバリアフリー料金を収受すると発表しました。これを原資に、関東のほかの鉄道事業者と比べて導入が遅れているホームドアを中心に、バリアフリー設備の整備を加速させます。

そのほか、各駅構内や車内の照明をLED化して環境負荷低減を図るほか、通勤・通学定期券のWeb予約システムを導入し、QRコードを自動券売機で読み取らせることでスムーズに定期券を購入できる仕組みを整えます。

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