復旧後初の夏休み 只見線で臨時列車を毎週末運転 「フルーティアふくしま」は最後の夏

JR東日本は2023年夏シーズン、最終運行が近づく観光列車「フルーティアふくしま」を磐越西線で運転するほか、夏休みに多くの利用が見込まれる只見線で臨時列車を増発します。

只見線会津川口駅に停車中のJR東日本キハE120形気動車(unfinity/写真AC)
只見線会津川口駅に停車中のJR東日本キハE120形気動車(unfinity/写真AC)

「レトロラッピング車両」南東北各地に出張

フルーティアふくしまは、“フルーツ王国”と称される福島県を代表する観光列車として2015年(平成27年)4月に運行を開始しました。「走るカフェ」のコンセプトの通り、オリジナルスイーツやドリンクを車内で味わいながら優雅な時間を過ごせる列車として人気を博しましたが、車両老朽化に伴い2023年12月をもって運行を終了します。

この夏も土日祝日を中心に、通常運行区間の郡山駅〜喜多方駅間で1日あたり1往復運転します。JR東日本「のってたのしい列車予約サイト」で旅行商品として発売されており、旅行代金には地元の人気店がプロデュースした季節のスイーツセットが含まれます。また、郡山駅、会津若松駅などの「NewDays」では、フルーティアふくしまの魅力が詰まった各種オリジナル商品が販売されています。

鳴子温泉、赤倉温泉など風情ある温泉地が点在している陸羽東線では、仙台駅〜新庄駅間を直通運転する快速「湯けむり号」が土日祝日を中心に運転されます。一部の運転日を除き、鉄道開業当時の客車をイメージした外装をまとった「レトロラッピング車両」が使用され、Wi-Fiサービスや車内販売も利用できます。

このレトロラッピング車両は、湯けむり号以外での出張運転も予定されています。7月15日(土)・16日(日)は磐越西線の郡山駅〜喜多方駅間で快速「喜多方レトロ満喫号」、8月19日(土)・20日(日)は東北本線の仙台駅〜一ノ関駅間で快速「みちのく満喫一ノ関号」としてそれぞれ運転します。また、9月17日(日)は左沢線の山形駅〜左沢駅間で臨時快速「おいしい山形秋まつり号」に起用されます。

(快速「フルーティアふくしま」「湯けむり号」「風っこ只見線夏休み号」の運転時刻など詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】快速「フルーティアふくしま」「湯けむり号」「風っこ只見線夏休み号」の運転時刻

只見線全線乗り通しのチャンス拡大

只見線は、2011年(平成23年)7月の新潟・福島豪雨で受けた甚大な被害により一部区間の不通が続きましたが、地元の方々の多大な協力により2022年10月に全線での運転再開を果たしました。復旧後、初めての夏休みを迎える今年は7月22日(土)〜8月27日(日)にかけ、すべての土日祝日に全区間で臨時列車が設定されます。

福島県内区間の会津若松駅〜只見駅間では7月22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)の計4日間、窓を外して運転するトロッコ列車「びゅうコースター風っこ」を使用した臨時快速「風っこ只見線夏休み号」が1日あたり1往復設定されます。全車指定席で、一般発売の指定席券のほか、奥会津の田舎料理をアレンジした特別弁当や限定グッズ、お土産がセットになった旅行商品も発売されています。

また、同区間では8月の計9日間、キハ110系3両編成で一部指定席を設けた臨時快速「只見線満喫号」が1日1往復運転します。

福島・新潟県境区間の小出駅〜只見駅間では、上記の臨時列車運転日に合わせ、各駅に停車する全車自由席の臨時普通列車が運転します。定期列車の運転間隔が開いている日中時間帯に1日1往復設定されます。只見駅では「風っこ只見線夏休み号」または「只見線満喫号」と相互に乗り換えができるため、全線乗り通しの旅にも便利です。

【鉛温泉 藤三旅館】花巻南温泉峡に600年超佇む、唯一無二の一軒宿 「新日本百名湯」「日本百名湯」「日本温泉遺産」にも選ばれるほどの上質な湯(提供:アソビュー!)