IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道は、開業20周年の共同企画として盛岡駅〜青森駅間に直通の臨時快速列車を2022年に運行しましたが、好評だったことから2023年夏シーズンに再び運行することを決めました。
NYタイムズ選出で話題の「盛岡市」
両社の定期列車の直通運転区間は盛岡駅〜八戸駅間に限られていますが、これを大幅に拡大し、盛岡駅〜青森駅間の全長203.9kmにわたる直通臨時列車が2022年7月と9月に初めて設定されました。このとき、青い森鉄道の車両が開業以来初めて盛岡駅まで乗り入れています。同年10月にも全線直通列車が追加設定され、今度はIGR車両が初めて営業運転として青森駅に入線しました。
この企画が大変好評だったとのことで、この夏も7月〜9月の期間中に直通臨時列車が計22本設定されます。
2023年7月15日(土)〜17日(月・祝)の3連休は、青い森沿線から盛岡駅までのお出かけに便利な快速「青森・盛岡ライナー」の運転です。各日とも青森駅からの往復運転で、往路は青森駅9:11発・盛岡駅12:08着、復路は盛岡駅16:13発・青森駅19:04着です。一部にボックスシートが設置された青い森701系セミクロスシート車両が使用されます。
米国の有力紙ニューヨーク・タイムズが世界中の旅行先を紹介する「2023年に行くべき52か所」において、1位のロンドンに続いて2位に選ばれた盛岡市。市では歩行者が安心して移動できる中心市街地の整備に取り組んでおり、同紙でも「混雑を避けて歩いて楽しめる美しい場所」と評価されています。
公共交通機関の再活性化にも熱心で、盛岡駅でJR田沢湖線に乗り換えて1駅目には、大型商業施設「イオンモール盛岡」に隣接する新駅「前潟駅」が2023年3月18日に開業しています。そんな注目度の高い盛岡の街へ、「青森・盛岡ライナー」を使えば日帰り旅行でも十分楽しめそうです。
IGR沿線から青森方面へのお出かけは、9月16日(土)〜18日(月・祝)の3連休に運転される快速「あおもり」「もりおか」が便利です。IGR所有のロングシート車両7000系が青森駅まで乗り入れます。
往路は列車名「あおもり」として盛岡駅8:54発・青森駅11:53着、復路は「もりおか」として青森駅14:30発・盛岡駅17:21着のダイヤです。7月の「青森・盛岡ライナー」よりも折り返し時間が短いため、日帰りの場合、青森市内での滞在時間はややタイトです。せっかくの3連休なので、古牧温泉や浅虫温泉など、青森県内の良質な温泉地を訪ねる宿泊旅行に活用するのが良さそうです。
(「青森・盛岡ライナー」「ふるさとライナー」ほかの運転時刻、おトクなきっぷなど詳細は下の図表を参照)
おトクな乗り放題きっぷで“最安”移動
今年はこれらに加え、お盆期間に盛岡・青森直通の臨時列車が初めて設定されます。列車名は快速「ふるさとライナーあおもり」「ふるさとライナーもりおか」で、盛岡駅で東京方面の東北新幹線との接続も考慮しており、帰省やUターンの利用に便利です。
お盆前半の8月11日(金・祝)〜13日(日)は、IGR7000系車両が盛岡駅を起点に青森駅まで1往復するダイヤです(盛岡駅11:12発・青森駅13:53着、青森駅14:30発・盛岡駅17:21着)。一方、後半の8月14日(月)・15日(火)は、青い森701系車両(セミクロスシート)が青森駅から盛岡駅に乗り入れます(青森駅11:30発・盛岡駅14:26着、盛岡駅14:35発・青森駅17:33着)。
IGR・青い森の両社は、「かつて盛岡駅が新幹線の終着駅であり、さらに北へ向かう人々の乗換駅出会った頃に思いをはせながら、久しぶりにふるさとを訪ねてみてはいかがでしょうか」とPRしています。普段はできるだけ目的地近くまで新幹線を利用する方も、新幹線開業当時のように盛岡駅で下車し、「東北本線」だった在来線の線路を北上すると新たな発見があるかも知れません。
直通列車はいずれも全車自由席で、乗車券のみで利用できます。期間限定で発売されているおトクなきっぷ「もりもりフリーパス」「青森割引きっぷ」「盛岡割引きっぷ」でも乗車可能です。2日間乗り放題タイプの「もりもりフリーパス」(大人5,500円・小児2,750円)で盛岡駅〜青森駅間を1往復すると、片道あたり大人2,750円となり、同区間の公共交通として最安値になるとのことです。
いずれのおトクなきっぷも駅窓口扱いの紙券のほか、スマートフォンアプリ「RYDE PASS」でデジタルチケットとしても発売されます。なお、JRグループの「青春18きっぷ」は、青い森鉄道線に設けられている通過利用の特例を除いて利用できません。
【岩手】きたいわてぐるっとパス|三陸鉄道、IGRいわて銀河鉄道など、列車とバスを乗り継いで、きたいわてをぐるっとめぐる一定方向乗り降り自由のおトクな3日間周遊パス (提供:KKday)