大雨被災の久大本線 夏休み前に全線で運転再開 開業目前の日田彦山線BRT専用道も被害

JR九州は、大雨を原因とした線路設備被害の影響により2つの区間で運転を見合わせている久大本線について、2023年7月20日(木)の始発列車から全線で運転再開すると発表しました。

玖珠川にかかる久大本線の橋りょうを走行するJR九州キハ71系気動車「ゆふいんの森I世」(ninochan555/写真AC)
玖珠川にかかる久大本線の橋りょうを走行するJR九州キハ71系気動車「ゆふいんの森I世」(ninochan555/写真AC)

2度の大雨で線路被害は広範囲に

活発な梅雨前線の影響で6月30日(金)から7月1日(土)にかけて九州地方で降り続いた大雨により、久大本線では道床流出や切取崩壊など、合計20件の被災が確認されました。被害が集中した豊後森駅(大分県玖珠町)〜由布院駅(同由布市)間では列車の運転が見合わされ、同区間では朝夕に限定して臨時ダイヤによるバス輸送が実施されています。

7月10日(月)には梅雨前線が再び日本列島に停滞し、佐賀県、福岡県から大分県にかけて線状降水帯が発生しました。筑後川水系の複数河川が氾濫したほか、がけ崩れなどの土砂災害も各地で発生し、福岡・大分両県合わせて死者6名、行方不明1名の人的被害をもたらしました。

大雨は久大本線にさらなる被害を引き起こし、善導寺駅(福岡県久留米市)〜日田駅(大分県日田市)間の複数箇所で築堤崩壊などが確認されました。復旧に時間を要することから同区間では現在も運転見合わせが続いており、代行輸送は行われていません。なお、久留米駅〜善導寺駅間では臨時ダイヤにより列車が運転されています。

JR九州は、復旧作業が捗っており工事完了のめどがついたことから、多くの小中学校の夏休み開始に間に合う7月20日(木)を久大本線全線の運転再開日に決めました。引き続き運転再開に向け復旧工事が進められますが、天候などにより工事に遅れが出た場合は予定が変更となる場合もあるとのことです。

(久大本線の復旧状況、全線運転再開後の特急「ゆふいんの森」「ゆふ」の運転時刻など詳細は下の図表を参照)

【路線図で解説】久大本線の復旧状況、全線運転再開後の特急「ゆふいんの森」「ゆふ」の運転時刻

「BRTひこぼしライン」開業間に合う?

豊後森駅〜由布院駅間のバス輸送は7月19日(水)をもって終了し、20日(木)始発からすべての普通列車が時刻表通りに運転します。特急列車「ゆふいんの森」「ゆふ」についてもすべて通常通りの運転で、20日(木)以降運転分の指定席は15日(土)9:00から発売が開始されています。

なお、「ゆふいんの森3・4号」については運転再開当日の7月20日(木)が定期検査日にあたります。これは当初の計画通りで、この日は「ゆふ」の車両を用いて同時刻による「ゆふ73・74号」としての運転となります。

一方、2017年7月の九州北部豪雨の影響で不通となった日田彦山線の添田駅〜日田駅間は、バス高速輸送システム「BRTひこぼしライン」としての営業開始を間近に控えています。しかし、今回の大雨により沿線の添田町、東峰村などでも河川被害や土砂災害が多数発生しました。

福岡県の調べによると、BRT専用道として整備された彦山駅〜宝珠山駅間の区間も被災しており、築堤崩壊と倒木がそれぞれ1件確認されています。JR九州は被害状況の確認を急いでいますが、開業予定日の8月28日(月)までに復旧作業が間に合うかどうか、現時点で告知は出されていません。

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