“新車両”は南海2200系! 銚子電鉄への譲渡を発表 「中古の中古でない」車両は30年ぶり

銚子電気鉄道は、現在運行している車両の老朽置き換えを目的に、南海電気鉄道が所有する「2200系」車両を2023年8月15日(火)に譲受したと発表しました。

銚子電気鉄道への譲渡が決まった車両と同形式の南海2200系電車(画像提供:南海電気鉄道)
銚子電気鉄道への譲渡が決まった車両と同形式の南海2200系電車(画像提供:南海電気鉄道)

8年ぶり新車両で「“なんかいい”ちょうしに!」

銚子電鉄が現在所有している車両は3編成(いずれも2両編成)で、2010年(平成22年)に「2000形」2編成、2016年(平成28年)に「3000形」1編成がそれぞれ運行開始しました。いずれもかつて京王帝都電鉄(現:京王電鉄)で通勤車両として導入された車両で、愛媛県の伊予鉄道に譲渡され、後に銚子電鉄入りして3度目の活躍の場が与えられているという経歴も共通です。

特に、1960年代前半に製造された2000形の老朽化が進んでおり、安定した輸送を提供するために新しい中古車両の導入が課題となっていました。3000形の導入以降も同社線を走行できるスペックの車両を探していたものの、合致する車両は数少なく、検討は困難を極めていたとのことです。

そのような状況下で、南海に打診して可能性がある車両を検討した結果、2200系車両であれば改造することにより運行可能であるとの結論に達し、今回の車両譲渡が実現しました。7月9日(日)に開催された銚子電鉄開業100周年記念イベントにおいて、中古の新車両の導入について竹本勝紀社長が予告していましたが、具体的な譲受元や車両形式が公表されたのは初めてです。

安定輸送の実現と新たな観光資源づくりを期待している銚子電鉄にとって待望の、約8年ぶりとなる中古車の導入です。さらに、「中古の中古でない車両」の導入は、かつて帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現:東京メトロ)から譲受され、すでに引退した1000形車両以来、約30年ぶりとなります。

(銚子電鉄が現有している2000形・3000形車両の写真とプロフィール、路線図など詳細は下の図表を参照)

【路線図で解説】銚子電鉄が現有している2000形・3000形車両の写真とプロフィール、路線図

高野線から支線運用を経て銚子へ

譲渡が決まったのは2200系車両のうち、車両番号モハ2202・モハ2252の2両編成です。1969年(昭和44年)に高野線向け22000系車両として製造され、橋本駅以南の山岳区間に対応する走行性能を発揮して通勤・行楽輸送を担いました。その後、ワンマン化改造工事が施工され、汐見橋線や多奈川線などの各支線で現在も運用されています。

今後、走行に必要な改造工事を施した後に運用を開始しますが、開始時期については未定です。南海と銚子電鉄は2200系を「新たな銚子電鉄のフラッグシップトレイン」と位置付け、さらに連携を深めていくとしています。

今回の譲受に伴い銚子電鉄は、2010年に就役した2000形車両のうち2001編成(デハ2001・クハ2501)について、2023年度中に退役することを併せて発表しています。

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