JR西日本は2024年10月に運行開始する新たな観光列車の列車名を「はなあかり」に決定し、グリーン車よりグレードの高い新たな座席種別「スーペリアグリーン車」などの車両デザインを公開しました。
金色のツタが巻かれた高貴な車体カラー
特急「はまかぜ」で使用しているキハ189系車両をベースに、「特別な旅を創る新たな観光列車」へと改造する計画は2022年10月に発表されました。長距離観光列車「WEST EXPRESS 銀河」や、特急「やくも」新型車両273系のデザイナーとして知られるイチバンセンの川西康之さんが今回もデザイン監修を行っています。
列車名「はなあかり」には、「地域に光があたり、地域が華やぐイメージ」を持たせたと言います。「西日本のさまざまな地域のとっておきに『あかりを灯す』列車」であることを表現しており、柔らかなタッチのロゴは、列車の優雅さや地域とのつながりを連想させるものとなっています。
袴などの紋付き染めで最高級とされる「檳榔子染め(びんろうじぞめ)」の色をまとい、どこを走っても自然や風景、駅舎に映える外観を目指したそうです。車体の周囲には、地域とのつながりや利用者との縁を表現した金色のツタ模様があしらわれています。
(観光列車「はなあかり」の外装デザイン、スーペリアグリーン車の座席イメージなど詳細は下の図表を参照)
デビュー第1弾は「敦賀〜城崎温泉ルート」
インテリアは、日本の四季を彩る草花をモチーフとした「華やかな和の色彩」が全体に展開された優雅なイメージです。特に、3両編成のうち1号車には、広々と過ごせる2名用の個室が10室配備されます。グリーン車よりハイグレードな設備を持つ「スーペリアグリーン車」として新たに位置付けられ、価格は未定ですが、より特別感のある旅を楽しめる座席として販売されます。
ほかの2両はグリーン車で、大型のテーブルが付いた4名用と2名用のボックスシートで構成されます。2号車の一部には、利用者同士の歓談やイベントスペースとしても利用できる「サロン」が設けられます。編成全体の定員は54席と、ゆったりとした設計です。
第1弾となる2024年10月〜12月は、北陸新幹線の敦賀駅開業後に開催されるJRグループの「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせ、敦賀駅から小浜線、京都丹後鉄道線、山陰本線を経由して城崎温泉駅までを結ぶ広域観光ルートを運行することが決まっています。現在、同じルートで団体専用列車が運行されており、地域の方々と連携しておもてなしの準備が進められています。
第2弾以降も、季節ごとにエリアを変えながら西日本各地を運行し、旅行者にリアルな体験や出会いの場を提供しながら地域活性化に取り組んでいくとのことです。