JR北海道は、2021年春のダイヤ見直しにおいて特急・快速・普通列車の減便、駅の廃止など行い、鉄道事業継続のための経費削減を目指すことを発表しました。
同社は、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少している現状と、収束後も需要が完全に戻らないことをも想定し、鉄道利用の需要変化に合わせた柔軟な輸送体型に変革する必要があると述べています。全体的には減便や駅廃止などのマイナス面が前面に出ている印象ですが、一方で新型車両の導入による普通列車のサービス改善など、今後につながる明るいニュースにも注目したいです。
特急列車の減便・減車
函館駅〜札幌駅間の特急「北斗」は、ビジネス客やインバウンドの落ち込みの影響を大きく受けているとし、特に利用が減少している上下最終便「北斗23号・24号」は運転取り止めとなります。「北斗24号」の取り止めによって函館行の最終便となる「北斗22号」、その後に続く「すずらん10号」は、札幌発時刻が繰り下がります。そのため、「北斗22号」から北海道新幹線「はやて100号」新青森行への接続ができなくなります。また、「北斗5号・14号」については、閑散期(4・10・11月)の水・木曜が運休となります。
札幌駅〜旭川駅間の特急「カムイ」のうち、前後の列車との間隔が近い「カムイ9号・28号・29号・42号」が毎日運転から土休日運転に変更となります(お盆や年末年始などにも運転)。旭川駅〜網走駅間の石北本線、旭川駅〜稚内駅間の宗谷本線については、観光需要の季節変動が大きいとし、旭川駅発着の「大雪」全便(1〜4号)と「サロベツ3・4号」が閑散期(4・5・10・11月)の火・水・木曜に運休となります。
全体的に利用が減少している特急列車の減車も行われます。特急「北斗」は指定席2両を減らして通常編成を7両から5両に、札幌駅〜釧路駅間の特急「おおぞら」は指定席1両を減らして通常編成を6両から5両にそれぞれ変更し、利用状況に合わせて増結する体制となります。
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