丘と海と島が一気に楽しめる〜シンガポール
シンガポール観光のハイライトとして有名なのが、1974年に開業したシンガポール島とセントーサ島を結ぶ、全長1,650mの「シンガポール・ケーブルカー」です。イギリス英語での「ケーブルカー」は、日本で言うところのロープウェイを意味します。熱帯雨林が生い茂る丘陵地にある、標高約100mの「マウント・フェーバー」から一気に降下し、商業ビル内にある中間駅「ハーバーフロント」を経由し、港と海峡を上空から眺めながら約15分でセントーサ島に到着します。
リゾート島として開発されているセントーサ島には、「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」を筆頭に数多くのレジャー施設があります。島内には、もう一つのロープウェイ路線「セントーサ・ライン」が2015年に開通し、ロープウェイ好きにはたまらないスポットとなっています。
「マウント・フェーバー・ライン」と「セントーサ・ライン」の両線が1日乗り放題のチケットが発売されており、オンライン購入価格は大人29.75シンガポールドル(約2,330円)、子ども21.25シンガポールドル(約1,660円)となっています。
そのほかの事例として、ドイツではライン川を横断する風光明媚な「コブレンツ・ケーブルカー」が観光客に人気です。南米コロンビア・メデジンには「メトロケーブル」が3路線稼働しており、市民の日常の足として利用されています。
観光地として臨海部の魅力を高めたい横浜市が自治体事業として注力し、都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」の事業化へと到達しました。一方で、博多駅と港湾部を結ぶ福岡市のロープウェイ構想は、「必要性が理解されていない」として市長が白紙撤回するなど、日本での普及にはまだまだ壁が高いのが現状です。
日本モデルの都市型ロープウェイの理解が進むかどうか、横浜に誕生した630mの新しい空中ルートがその試金石となります。