日豊本線の鹿児島市磯地区新駅が4年後に開業へ 「仙厳園」「集成館」のアクセス改善

日豊本線竜ヶ水駅〜鹿児島駅間の鹿児島市磯地区に、2024年度の開業を目標に新しい駅が設置されます。

日豊本線磯新駅近くの磯海水浴場から眺める桜島(Katsumi/TOKYO STUDIO)
日豊本線磯新駅近くの磯海水浴場から眺める桜島(Katsumi/TOKYO STUDIO)

鹿児島県や鹿児島市、経済団体などは2019年3月に磯新駅設置協議会を設立し、新駅の設置に向けてJR九州と話し合いを進めてきました。その結果、鹿児島駅から2.1km、竜ヶ水駅から4.8kmの鹿児島市磯地区に駅を設置し、開業目標を4年後の2025年3月末までとすることで2021年3月31日(水)に両者が覚書を交わしました。

単線の線路にはホーム1面が設けられ、周辺には広場や車両乗降スペースも整備される予定です。また、国道10号と市道上本町磯線の交差点を改良し、周辺道路の渋滞を緩和する対策も駅開設に合わせて実施されます(周辺地図は下図を参照)。

磯新駅の周辺には、島津家の別邸で雄大な桜島と錦江湾を望める大名庭園「仙厳園(せんがくえん)」、現存する日本最古の洋式工場建築物群であり、世界文化遺産に指定されている「旧集成館」を構成する「尚古集成館」「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」などの歴史的な遺産が集まっています。また、鹿児島市街から一番近い海水浴場である磯海水浴場は、桜島が正面にからきれいに見える憩いの場として人気です。

公共交通は「カゴシマシティビュー」「まち巡りバス」などの路線バス利用に限られていたこれらの観光スポットですが、鹿児島駅からわずか1駅の鉄道が利用できるようになることで、アクセスの大幅な改善が期待されています。