埼玉高速鉄道の岩槻延伸実現へ一歩前進 埼玉県・さいたま市が協働での取り組みに合意

埼玉県とさいたま市は、「地下鉄7号線」(埼玉高速鉄道線)の岩槻延伸の実現に向けて連携・協力して取り組んでいくことで合意しました。

埼玉高速鉄道2000系電車(しろかね/写真AC)
埼玉高速鉄道2000系電車(しろかね/写真AC)

地下鉄7号線とは、1962年(昭和37年)に当時の運輸省(現在の国土交通省)内に設けられた都市交通審議会で初めて出された計画の名称です。その後、1991年(平成3年)に当時の営団地下鉄(現在の東京メトロ)が南北線として駒込駅〜赤羽岩淵駅間を部分開業し、2000年(平成12年)には目黒駅〜赤羽岩淵駅間の全線が開業しました。2001年(平成13年)には埼玉高速鉄道が赤羽岩淵駅〜浦和美園駅間を新規開業し、東急目黒線を含む3社直通運転を開始しました。

埼玉高速鉄道線の岩槻駅・蓮田駅方面の延伸計画のうち、浦和美園駅から東武アーバンパークラインと接続する岩槻駅までの7.2kmは、県や関係自治体により先行整備区間として位置づけられています(地図は下図を参照)。中間駅の開設を想定しているほか、埼玉スタジアム2002の最寄りに臨時駅を設けることが検討されています。

現在、岩槻駅から都心(永田町駅)までの所要時間は約66分(東武アーバンパークライン、JR線、東京メトロ有楽町線経由、大宮駅・池袋駅で乗り換え)ですが、延伸により乗り換え無しの約55分で結ばれる予定です。また、蓮田駅から埼玉スタジアムへは現在約55分(大宮駅・南浦和駅・東川口駅乗り換え、浦和美園駅利用)かかりますが、全線開業後は埼玉スタジアム臨時駅まで直通13分に短縮されるほか、大宮駅からも約24分(岩槻駅乗り換え)で行くことができ、県内各地からスタジアムへのアクセスが大きく改善します。

2016年(平成28年)に出された国土交通省の交通政策審議会答申において、「埼玉県東部と都心部とのアクセス利便性の向上を期待」とその意義は認められました。しかしながら、事業性に課題があるとしており、計画の検討にあたっては、事業性の確保につながる需要づくりの取り組みを関係自治体等において進めることを求めています。

2021年4月30日(金)に埼玉県庁で行われた、さいたま市の清水勇人市長と埼玉県の大野元裕知事が意見交換を行い、地元の期待をできるだけ早期に実現するため、地元の協力を得ながら諸課題を克服し、県市が密接に連携を取りながら事業を推進していく方針を共有しました。

そのうえで、延伸区間の中間駅周辺におけるまちづくりなど、沿線開発による交流人口の増加に向けた取り組みを行い、答申で課題として示された「事業性の確保」に必要な需要を県市協働でつくり出していくことを確認しました。

また、鉄道事業者には「都市鉄道等利便増進法」に基づく速達性向上事業の実施を要請します。法が定める制度の適用を国土交通大臣に認定されると、建設資金の2/3に国および県・市の公的補助が受けられ、整備に「上下分離方式」(鉄道施設の整備は公的主体が担い、鉄道営業を行う民間事業者に施設の貸し付けを行う方式)を採用することで民間事業者の負担が軽減されます。

〈この記事へのご意見・ご感想をSNSでお聞かせください。〉