山梨県のローカル私鉄・富士急行は、自転車と一緒に電車に乗れる「富士急サイクルトレイン」実証実験の期間を延長します。
「鉄道×自転車」という富士山の新しい観光スタイルの確立を目指して試行される、自転車やロードバイクと一緒に電車に乗れるサービスです。東京2020オリンピック自転車競技ロードレースのコースとなっている山中湖をはじめ、富士山の豊かな自然に囲まれた富士五湖周辺を自転車で周遊したい方にとって、移動手段の新たな選択肢となります。
2021年6月26日(土)〜7月16日(金)の期間に初めて実施され、今回、実証実験の延長というかたちで、7月26日(月)〜9月30日(木)の期間に再び利用できるようになります。ただし、8月7日(土)・8日(日)・21日(土)・22日(日)・27日(金)〜29日(日)および9月4日(土)・5日(日)・25日(土)・26日(日)は除外日となります(実施日カレンダーは下図を参照)。そのほかにも状況により別途、除外日が設けられる場合があるとのことです。
富士急行線の大月駅〜河口湖駅間で、自転車を専用の袋に入れて持ち込む従来の方法ではなく、電車にそのまま自転車やロードバイクと一緒に乗車ができます。持ち込みにあたって追加料金は不要です。乗降可能駅は9駅限定(大月駅・都留市駅・谷村町駅・都留文科大学前駅・三つ峠駅・下吉田駅・月江寺駅・富士山駅・河口湖駅、路線図は下図を参照)で、それ以外の駅では従来どおり、自転車を解体または折りたたんで専用の袋に入れる必要があります。
対象列車は富士急行線車両の普通電車のみで、下り(河口湖駅方面)は大月駅9:13〜14:17発、上り(大月駅方面)は河口湖駅8:57発〜14:20発の時間帯に限られます。なお、前回実施時の利用者からの声を受け、今回の実証実験では下り列車の利用可能時間が土休日のみ15:50発まで延長されます。利用時間内でも特急列車(「富士回遊」「富士山ビュー特急」など)およびJR線直通列車(河口湖駅10:40発・高尾駅行)では利用できません。
自転車を持ち込み可能な車両は、大月駅〜富士山駅間における大月駅寄りの1両のみで、入口ドア横には持込可能なことを示すステッカーが貼付されています。1列車あたり最大6台まで持込可能で、それを超える場合や列車が混雑している場合は、後続列車の利用となります。車両には一般の方も乗車するので、車内では自身で自転車を手で支えて乗車する、スタンドのない自転車は専用ベルト等で手すりに固定するなど、利用あたってはいくつかの注意事項があります。原動機付自転車や特殊な自転車などでの利用はできません。
富士急行は、サイクリストや観光での利用だけでなく、沿線地域にお住まいの方のお買い物やお出かけなど、日常利用の利便性向上も目指しています。本格導入時により良いサービスが提供できるよう、公式サイトでは引き続きアンケートが実施されています。